メジャーリーグのワールドシリーズは26日、第3戦が行われ、フィラデルフィア・フィリーズ(ナショナルリーグ)がタンパベイ・レイズ(アメリカンリーグ)を5−4のサヨナラ勝ちで破り、対戦成績を2勝1敗とした。レイズの岩村明憲は4打数0安打。フィリーズの田口壮は3戦連続で出番がなかった。
 現地時間の深夜2時近くまで行われた熱戦はホームのフィリーズが制した。
 雨のためプレーボールが約1時間30分遅れたゲームは初回から動く。まずはフィリーズがレイズ先発マット・ガーザの立ち上がりを突き、無死2、3塁から内野ゴロの間に1点を先制。しかしレイズも2回、ゲーブ・グロスの犠飛で同点に追いつく。ところがその裏、フィリーズはカルロス・ルイスの一発で1点を勝ち越した。

 序盤から小刻みな点の取り合いが続いたが、3回以降はフィリーズの45歳左腕ジェイミー・モイヤー、レイズのガーザがそろって立ち直る。特にモイヤーは5回まで勢いのあるレイズ打線をわずか2安打に封じ、相手に反撃の機会を与えない。

 ベテランの好投に攻撃陣が応えたのが6回。フィリーズは3番チェース・アットリーがライトスタンドへ貴重なソロを放り込む。すると、続くライアン・ハワードもインローのボールを叩き、同じくライトスタンドへ。レギュラーシーズンであわせて81ホーマーを放った2人の大砲の連続アーチでフィリーズがリードを広げた。

 一方、レイズの反撃は7回。この試合、初の連打で無死2、3塁のチャンスを迎えた。なおもヒットでつなぎたいところだったが、後続の打者は内野ゴロ2つ。それでも2点を返して3−4と1点差に迫る。なお2死1塁で岩打席には岩村。しかし、ワンポイントリリーフで起用された左腕スコット・エアの前にバットが空を切った。

 さらに8回、レイズは内野安打で出塁したB.J.アップトンが2盗、3盗と足でかきまわす。これが相手キャッチャーの悪送球を誘い、アップトンは一気にホームへ。1人で1点をもぎとり、4−4の同点に追いついた。アップトンは6回にも二盗を決めており、1試合3盗塁のシリーズタイ記録のオマケがついた。

 これで流れはレイズに傾いたかと思われたが、最終回に落とし穴がまっていた。9回、いきなり先頭打者に死球を与え、ワイルドピッチとキャッチャーの悪送球で無死3塁。自らピンチを招いてしまう。1点もやれないレイズベンチは2者を敬遠して満塁策を指示した。無死満塁となって続くルイスの当たりは3塁前へ大きく弾むゴロ。見送ればファウルの可能性もあったが、突っ込んだ三塁手はこれをキャッチ。しかもトスを慌てて、送球はホームを守るキャッチャーの頭上を越えていった。

 あっけない幕切れでフィリーズのサヨナラ勝ち。レイズはせっかくの上げ潮ムードを、ミスで台無しにしてしまった。この1勝、そして1敗はシリーズのターニングポイントになるのか。第4戦は27日、引き続きシチズンズバンク・パークで行われる。

 ルイス、ラッキーなサヨナラ打(フィリーズ2勝1敗、シチズンズバンク・パーク)
タンパベイ・レイズ        4 = 010000210
フィラデルフィア・フィリーズ 5 = 110002001×
勝利投手 ロメロ(1勝0敗)
敗戦投手 ハウエル(0勝1敗)
本塁打   (フ)ルイス1号ソロ、アットリー2号ソロ、ハワード1号ソロ

【岩村成績】
 4打数0安打
第1打席 中飛
第2打席 右飛
第3打席 空振三振
第4打席 空振三振