運命のドラフト会議が30日15時から都内で開かれる。1年目に2名、2年目に3名、3年目は6名(いずれも育成含む)と計11名のNPBプレーヤーを輩出してきたアイランドリーグ。今年のドラフトは社会人ナンバーワン右腕の田澤純一(新日本石油ENEOS)がメジャーリーグ挑戦を表明し、有力選手が少ないとの声もある。それだけに“隠し球”としてリーグの選手たちが指名を受ける可能性が高まってきた。

 今年、最大の注目株は福岡のキム・ムヨン(写真)。故障明けで開幕から約1カ月、登板はなかったが、5月以降はチームのクローザーとして定着。35試合に登板して、2勝0敗17セーブ(リーグ2位)、防御率0.41の成績を残した。MAX148キロのストレートとフォークを武器に打者から空振りを取れるところが強みだ。

「ストレートの質が高く、コントロールがいい」(福岡・森山良二監督)
「キレがあり、手元で伸びてくる。すばらしいストレートの持ち主」(香川・加藤博人コーチ)
 各チームの首脳陣の評価も高い。もともと大学時代(福岡経済大)にドラフト候補として各球団がマークしていた素材だけに、アイランドリーグでの活躍で、その実力は充分NPBに認められた。複数の球団がリストアップしており、他の指名選手との兼ね合いによっては、巨人・深沢和帆(06年ドラフト5巡目)を上回る順位で名前が読み上げられるかもしれない。

 その他、投手では西川雅人も候補のひとり。こちらもストレートとフォークを武器に愛媛のクローザーとして後期優勝に貢献した。今季成績は42試合で3勝0敗13セーブ、防御率1.38。宮崎でのフェニックス・リーグでもリーグ選抜の抑えとして結果を残し、スカウトから注目される存在となっている。

 また、2年連続独立リーグ日本一に輝いた香川からは堂上隼人、丈武ら中心選手の指名に期待がかかる。堂上は言わずと知れたリーグ最強キャッチャー。その強肩強打は古田敦也・前東京ヤクルト監督からも「1軍クラス」と認められたほどだ。今季は開幕前にボストン・レッドソックスとマイナー契約を結ぶ話も浮上していた。レギュラーシーズンの成績は78試合で打率.290、5本塁打、44打点と昨季より成績を落としたが、先のフェニックス・リーグでも3試合連続で打点をあげるなど、スカウトの評価はより揺るぎないものとなった。今季最下位に低迷した福岡ソフトバンクが育成も含めて大量に選手を獲得する意向で、「ポスト城島」候補として指名が検討されている。

 丈武は今季、打率.277、7本塁打、52打点。2年連続で打点と本塁打の2冠に輝いた。長打力には06年の入団時より定評がある。今年はショートにも挑戦し、内野手としての幅も広げた。米独立リーグでも2年間、プレーしていた苦労人。BCリーグ出身の内村賢介ら育成出身者がレギュラークラスへの成長をみせた東北楽天が育成枠での獲得を考えている。

 18歳右腕の篠原慎平(愛媛)が「高校中退」扱いとみなされ、対象選手から外されたのは残念だが、昨年を上回る朗報が選手たちに届けられるのか。6球団にエクスパンションした新生アイランドリーグにひとつの評価が下される。

<長崎、元日本ハム・井場ら6選手に戦力外>

 長崎セインツは下記の6選手に戦力外を通告し、退団が決まったことを発表した。通告を受けた選手の中には、元日本ハムで7月に入団した井場友和投手も含まれる。また本人の希望により、RYOTA内野手、吉田臣希外野手の退団も決まった。

長崎セインツ
<投手>
井場友和(1年目) 12試合 4勝5敗、防御率3.42
荻野優二郎(2年目) 13試合 0勝1敗、防御率8.03
原口晃(1年目) 10試合 0勝1敗、防御率3.09
<捕手>
松本悠(2年目) 29試合 打率.059、0本塁打、2打点
<内野手>
RYOTA(1年目) 43試合 打率.171、0本塁打、6打点
森部英人(1年目) 35試合 打率.152、0本塁打、1打点
<外野手>
吉田臣希(2年目) 60試合 打率.220、0本塁打、8打点
島田稔理(1年目) 49試合 打率.230、0本塁打、3打点
※成績は今季


次の100年へ。太陽石油から、SOLATOはじまります。
SOLATOは、アイランドリーグのオフィシャルスポンサーです。
[/color][/size]