30日に開催されたNPBの「新人選択会議」で野原祐也(富山サンダーバーズ)が阪神に、鈴江彬(信濃グランセローズ)が千葉ロッテに、柳川洋平(福井ミラクルエレファンツ)は福岡ソフトバンクにいずれも育成枠で指名を受けた。
 リーグ一のスラッガー野原は昨季、打率、本塁打の2冠に輝きながらNPBへの道を開くことはできなかった。今度こそはと臨んだ今季は、打率.368(同2位)、7本塁打(同4位)、45打点(同3位)、12盗塁(同4位タイ)をマークし、チームの初優勝に大きく貢献した。
「富山でやってきたプレースタイルでNPBでも頑張ってほしい。早く1軍に上がって伝統の阪神、巨人戦をわかせるような選手になってほしい」(鈴木康友監督)

 180センチ、93キロの体格をもつ鈴江はMAX147キロの本格派。82回2/3を投げ、四球はわずか13と制球力にもすぐれている。先発、中継ぎ、抑えとフル稼動し、最下位に沈んだチームを支えた。
「携帯でチェックはしていたが、自信はなかった。マネージャーから指名の連絡をもらって、もう頭が真っ白になった。ロッテはチームがまとまっていて、やる時はやるというチームという印象をもっている。周りから信頼されるようなピッチャーになりたい。そのためにももう少し変化球を磨かなければいけない。先発でも中継ぎでも、どこでもいいから支配下登録されるように頑張りたい」(鈴江投手)
「指名を聞いた時は、思わず跳び上がった。彼の一番の武器は真っすぐとコントロール。支配下登録選手になって初めて恩返しだと思うので、グランセローズでやってきたことを十分にアピールして頑張ってほしい」(島田直也コーチ)

 柳川は伸びのあるストレートとカーブ、スライダー、チェンジアップ、ナックルと多彩な変化球を操る右腕。低迷にあえいだチームの中にあって、6勝11敗となかなか勝ち星には恵まれなかったが、奪三振王に輝くなど豪腕ぶりを発揮した。 
「なんとか育成枠で指名され、NPBでチャレンジできるチャンスを与えてもらった。柳川の名前が呼ばれたときは、自分のときよりも嬉しかった。今年1年間、福井でやってきたことを自信をもってやってほしいと思う。早く支配下選手になって試合に出場してくれることを楽しみにしている」(天野浩一監督)

 3選手は育成枠のため、出場できるのは2軍の試合のほか、オープン戦、ファーム日本選手権に限られる。それでも、BCリーグ出身ではNPB選手第1号として東北楽天に入団した内村賢介(元石川ミリオンスターズ)がファームでの活躍が買われ、7月に支配下登録された。シーズン終盤は2番・セカンドに定着し、47試合に出場。打率.289、44安打13打点、盗塁9を記録した。

 果たして内村に続いて支配下登録選手への道を開くことができるか。まずはファームでの活躍に期待したい。