12日、「Dynamite!!〜勇気のチカラ2008〜」(12月31日、さいたまスーパーアリーナ)の記者会見が都内ホテルで行われ、桜庭和志(LAUGHTER7)対田村潔司(U-FILE CAMP)の対戦カードが発表された。会見では桜庭が「素手での時間無制限マッチ」を要求する場面もみられた。ついに実現することになった“世紀の一戦”を皮切りに、今後、続々とDynamite!!の対戦カードが発表される。
(写真:大晦日対決が浮上してから5年。ついに対戦することになった桜庭(左)と田村)
 UWFインターナショナルの先輩、後輩である両選手(田村が先輩)。Uインター時代には対戦経験もあるが、1996年の団体崩壊で田村がリングス、桜庭がキングダムと別々の道へ進んだ。その後、共にPRIDEに主戦場を移したことで、「桜庭×田村」戦実現の気運が高まる。桜庭は幾度となく対戦要求を行った。しかし、交渉が難航し、ここ数年は毎年のように大晦日対決が浮上しながらも実現には至らなかった。カード発表に際して、PRIDE時代から対戦実現に尽力してきた笹原圭一DREAMイベントプロデューサー(EP)は、「万感の思いです。様々な因縁がおありでしょうが、大晦日にひとつの結果が出ます。見たいような見たくないような気持ちです」と複雑な心境を明かした。

 桜庭は第一声で「緊張感のある試合がしたいので、時間無制限で素手で戦うのはどうでしょうか」と提案した(DREAMはオープンフィンガーグローブを装着して、10分、5分の2ラウンド制を敷いている)。これに対して田村が「僕の一存では決められません」と応えると、すかさず「田村さんの一存で決まると思います」と桜庭。「顔面もありってこと?」(田村)、「そうです。緊張感を持たせるために、素手で顔面もあり」(桜庭)と両者がやり取りする一幕も見られた。「時間無制限&素手で顔面パンチあり」の過激提案について笹原EPは、「テレビ放送があるため時間無制限は難しい」としたものの、世紀の一戦に相応しいルールを採用することを約束した。

 また、田村は桜庭の印象について訊かれると、「格闘技界を引っ張ってきた人間です。ここ10数年の間、トップを張ってきたので精神力が強い選手だと思います」と語った。これに対して桜庭は「赤い色(のイメージ)」とジョークを飛ばして笑いを誘った。
 さらに田村は、これまでの交渉決裂について、「PRIDEはPRIDE独自のブランドを持っていたので、自分が出る、出ないとは関係ないところにあったので。うまくいえませんけど」と答えた。そして、08年大晦日決戦実現の理由は、「流れ」によるものだと付け加えた。
 
「PRIDE」が崩壊し、「HERO'S」との大連立を経て、今年3月に誕生した「DREAM」。日本の格闘技界が新たな船出を迎えた2008年、その大晦日にファン待望の一戦が実現する。「運命的なものを感じる」(谷川貞治K-1EP)、「神様がこの日にやれと導いたと思う」(笹原EP)の発言からも、この一戦が関係者にとっても悲願であったことは想像に難くない。総合のリングを牽引してきたふたつの“Uの遺伝子”が、12年の沈黙を破り、聖地・さいたまスーパーアリーナで再び交じり合う。

 さらにこの日、DREAM初代ライト級王者に輝いたヨアキム・ハンセン(フロントライン・アカデミー)とJ.Z.カルバン(アメリカン・トップチーム)がライト級ワンマッチで対戦することも併せて発表された。09年のDREAMライト級戦線を占う意味でも、強豪同士の激突は必見だ。

Dynamite!!〜勇気のチカラ2008〜
2008年12月31日、さいたまスーパーアリーナ
開場14:00 開始:15:00

【対戦決定カード】
桜庭和志(LAUGHTER7)×田村潔司(U-FILE CAMP)
〔ライト級ワンマッチ〕
ヨアキム・ハンセン(フロントライン・アカデミー)×J.Z.カルバン(アメリカン・トップチーム)

【既報対戦カード】
〔K-1甲子園準決勝〕
日下部竜也(中部大会優勝/愛知県立豊田高校)×卜部功也(関東地区優勝/千葉県立岬高校)
HIROYA(主催者推薦/セントジョーンズインターナショナルハイスクール)×嶋田翔太(主催者推薦/私立西武台高校)