10日、「クラブワールドカップ2007」の準々決勝が行われ、アジア代表の浦和レッズ(日本)が3−1で開催国枠出場のセパハン(イラン)を破り、日本勢として大会初勝利を挙げるとともに準決勝進出を決めた。浦和は13日の準決勝で欧州代表のミラン(イタリア)と対戦する。

◇12月10日、豊田ス
浦和レッズ 3−1 セパハン
【得点】
[浦] 永井雄一郎(32分)、ワシントン(54分)、オウンゴール(70分)
[セ] モハマド・カリミ(80分)
 浦和が日本サッカーにとって歴史的な1勝を挙げた。

 MFポンテを故障で欠く浦和はトップ下にMF長谷部を起用。右ふとももに違和感を抱えるMF平川に代わって、左サイドにはMF相馬が入った。一方、セパハンは右足を故障した司令塔MFナビドキア、体調不良のエースFWカリミがベンチスタート。初戦のワイタケレU戦で2ゴールを挙げたMFエマドらが先発に名を連ねた。

 序盤から、浦和はボールを支配して、セパハンを攻めたてた。MF長谷部が至近距離のシュートを外すなど、チャンスをなかなか生かせずにいたが、32分、ついに待望のゴールを奪う。左サイドでDFを振り切った相馬が中央へ折り返すと、GKとDFが触れることができずに流れてきたボールをFW永井が左足で押し込んだ。

「相馬が触るだけでいいような、優しいパスをくれた。彼に感謝ですね」
 日本人として大会初ゴール。1ヶ月前のACL決勝第2戦で先制点を挙げた男が、再び大舞台で大仕事をやってのけた。

 後半開始早々、FWカリミを投入したセパハンに押し込まれたものの、9分にFWワシントンが技ありのゴール。阿部の速いスルーパスをPA右で受け取ると、飛び出してくるGKを落ち着いてかわし、角度のないところから右足で流し込む。ACL準決勝、城南一和との第2戦(10月24日)以来となるエースの流れの中でのゴールでリードを2点とした。

 その後も浦和の集中力は落ちなかった。後半26分、永井のヘッドがDFアギリのオウンゴールを誘って、3−0。同30分に、カウンターからカリミに1点を返されたものの、逃げ切って、準決勝ミラン戦のチケットを手にした。

 この試合の前には公式戦3敗1分と流れは決してよくなかった。MFポンテの不在も強く懸念された。しかし、フタを開けてみると、MF鈴木を中心とした積極的なプレスとスペースへの精力的な動きで主導権を握った。特に相馬はリーグ戦で出番が少なかったにもかかわらず、1点目をアシストし、3点目の場面で永井に左クロスを合わせるなど積極的な仕掛けから好機を創出した。

 雪辱を狙うセパハンを倒し、アジアの壁は乗り越えた。次に浦和を待ち受けるのはミランという世界の壁だ。
「次のミラン戦は日本にとって、浦和にとって、選手にとって特別なものになる。浦和の新しい歴史をつくりたい」
 2点目を決めたワシントンはそう言った。欧州王者ミラン相手にどれだけのパフォーマンスができるか。Jクラブの真の実力が試される時がついにやってきた。

◇浦和レッズ出場選手
GK
都築龍太
DF
田中マルクス闘莉王
坪井慶介
ネネ
MF
鈴木啓太
阿部勇樹
細貝萌
相馬崇人
長谷部誠
⇒岡野雅行(89分)
FW
ワシントン
永井雄一郎
⇒小野伸二(73分)

<今後のスケジュール>

【準決勝】
◇12月12日(水)
・南米代表ボカ・ジュニアーズ(アルゼンチン) × アフリカ代表エトワール・サヘル(チュニジア)

【準決勝】
◇12月13日(木)
・アジア代表浦和レッズ(日本) × 欧州代表ミラン(イタリア)

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