千葉ロッテマリーンズの新入団選手発表会が17日、千葉市内で行われ、育成ドラフトで指名を受けた生山裕人内野手(香川)が他の入団選手とともにユニホーム姿を初披露した。約400人のファンの前で生山は「僕のアピールポイントは足、モットーは全力疾走です」と力強くあいさつした。背番号は「130」に決まった。

(写真:母・久陽さんと記念撮影する生山)
 毎年、マリーンズファンがニューカマーを熱く歓迎する発表会。今年も選手ひとりひとりに大きな拍手と声援が送られた。「まだ育成なので目立ちすぎないよう、おとなしくしたい」と語っていた生山も、会場を揺るがさんばかりの「イクヤマ」コールに「興奮を隠せないです!」と絶叫。早速、ファンの笑いを誘っていた。
 
「テレビで見ていたものをそのまま着せられている感じ。似合っているか? 分からないです(笑)」
 小さい頃からNPBのユニホームを着るなどこれっぽちも考えたことはなかった。学校の先生か芸人になりたい。それが将来の夢だった。それでも野球への情熱は人一倍持っていた。「(当時、トライアウトの年齢制限だった)24歳まで受けて、落ちれば気が済むだろう」。アイランドリーグのトライアウトは半分、思い出受験だった。

 しかし、トライアウトで普段は経験のないショートのポジションに挑戦したことが人生を変えた。機動力の使える内野手を求めていた西田真二監督の目に留まり、合格。運命の歯車は思わぬところへ廻り始めた。そして、四国ではファンへのアピールを兼ねて始めた全力疾走が新たな道をひらく。「凡打しても最後まで走れる。おもしろい選手だと思って、ピックアップしてみるようになりました」。黒木純司スカウトは指名に至ったきっかけを明かしてくれた。

「アイランドリーグではたいした成績を残しているわけではない。でもアピールできるところを伸ばしていけば、上に行けると分かりました」
 今季はヒジの手術も受け、48試合で打率.221と不本意なシーズンに終わった。夢にも思わなかったドラフト指名を受けたとはいえ、これがゴールではない。「アイランドリーグより環境は恵まれている。ここで満足するか、さらに自分を追い込んでいけるのか。それが一流と二流の分かれ道」。黒木スカウトは一層の鍛錬を生山に期待している。
(写真:一気に8名の育成選手(前列)が入団する)

 もともと人と同じことをやるのは嫌いな性格だ。人と違うことをやってみようという意識が生山をここまで押し上げてきた。「みんなと同じように“目標は支配下登録”と言うのはイヤですね。自分の持ち味を出すほうか大切。結果として支配下選手になれればいい」。目指すはオンリーワンの選手になること。それがNPBプレーヤー生山裕人の生きる道となる。

<高知、元広島の佐伯氏が新コーチに>

 高知ファイティングドッグスは元広島の佐伯和司氏が来季からコーチに就任すると発表した。佐伯氏は1952年、広島県出身。71年にドラフト1位で広島に入団し、73年には19勝をマークして主力投手に躍り出た。75年には15勝をあげて悲願の初優勝に貢献。77年に日本ハムに移籍後も2年連続2ケタ勝利をあげる活躍をみせた。82年に現役を引退後は広島の打撃投手、スカウト、2軍投手コーチなどを歴任。昨年からは環太平洋大学のコーチを務めていた。

 高知は今季、定岡智秋監督、山崎章弘コーチ、宮崎一彰兼任コーチと投手出身の首脳陣がいなかった。最多勝の西川徹哉、最多セーブの上里田光正と中心選手が今季限りで退団し、来季に向けたチームの投手力は未知数。NPBで88勝(100敗)をあげた経験を若い投手陣に注入できるか、手腕が問われそうだ。


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