第2回WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)の開幕まで、あと3日。連覇を狙う日本は東京ドームでの第1ラウンドで韓国、台湾、中国と第2ラウンド進出をかけて争う。前回大会でも第1、第2ラウンドと連敗した韓国、若い力で挑む台湾、発展途上の中国――サムライジャパンの前に立ちふさがる各チームの戦力を探ってみた。(Vol.1は中国編)
(写真:アジア相手にイチローはどんなプレーを見せるのか)
 中国 攻守ともに苦しい戦力

 1日まで行われた巨人、埼玉西武との強化試合は連敗。前半はまずまずの接戦を演じるが、後半になると投手陣も含めて守りが総崩れするパターンだった。「これから4年間で懸念事項を改善して、厳しく練習したい」。昨季途中までオリックスで指揮を執り、3カ月前に就任したばかりのテリー・コリンズ監督は、目前の試合より、4年後の第3回大会を見据えている。現状の力を見る限り、東京ラウンドを勝ち抜くことは極めて難しい。

 投手陣の柱は呂建剛。98年から5年間、中日に在籍していた。球威はないが、変化球でかわすタイプの右腕だ。巨人との強化試合でも3回1失点とまずまずの内容だった。日本戦先発の最右翼だ。また日本に左打者が多いこともあり、左腕のト濤が先発する可能性もある。ただ、WBC組を欠く巨人がソロアーチを含む6安打で2点を奪ったように、決して怖い相手ではない。

 攻撃陣はパイレーツ傘下のマイナーチームに所属するレイ・チャンに注意したい。西武との強化試合でも唯一の得点となるタイムリー2塁打を放った。4番に座るのは北京五輪で3割を超える打率を残した侯鳳連。また下位にも巨人戦で一発を放った楊洋がいる。ただ、全体的に打線は非力で、大量得点は見込めない。

 北京五輪では台湾相手に3−3のタイスコアで延長戦にもつれこみ、延長12回タイブレークの末、8−7と逆転サヨナラ勝ちを収めた。また優勝した韓国には延長戦で敗れたものの、途中までは0−0の善戦だった。ノースコアの戦いになれば、何が起こるかわからない。強化試合で対戦した巨人、西武がそうだったように、序盤で点をとって、相手の戦意を奪うことが大切だ。日本は強化試合で4試合連続、先制を許した。今後に弾みをつけるためにも、是が非でも先取点がほしい。