WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)1次ラウンドA組の第2戦は、韓国代表が台湾代表を9−0で下し、7日に2次ラウンド進出をかけて日本代表と対戦することが決まった。韓国は初回に李晋映の満塁弾などで大量6点を奪い、中盤にも追加点をあげて大勝した。

 4番・金泰均、先制2点打
チャイニーズ・タイペイ代表 0 = 000000000
韓国代表            9 = 60001200×
(台)●李振昌−鄭凱文−廖干誠−林柏佑
(韓)○柳賢振−奉重根−李承浩−林泰勲
本塁打  (韓)李晋映1号満塁、鄭根宇1号2ラン
 韓国がチャンスを確実にモノにし、いい形で日韓対決にコマを進めた。初回、台湾先発右腕の李振昌が乱調で3四死球で無死満塁。ここで4番・金泰均が三遊間を鋭く破るタイムリーを放ち、2点を先行する。さらに1死満塁と攻め立て、7番・李晋英が打った瞬間にそれとわかる満塁弾。李をマウンドから引きずり降ろし、試合の行方を決定づけた。

 韓国打線は10安打。調整の遅れが指摘されていた李大浩も、2打席凡退後の第3打席、1、2塁間へうまく転がした当たりがタイムリー内野安打となると、続く7回の打席ではあわやホームランとなるフェンス直撃の2塁打。故障の影響で強化試合を欠場していたインディアンスの秋信守にもヒットが飛び出すなど、先発9人のうち、8選手が安打をマークした。初戦が5安打と打棒が振るわなかった日本とは対照的で、金寅植監督も「(明日の)打順は今日と似た感じになる」と自信をみせていた。

 ただ、台湾3番手で登板したサイドスローの廖干誠からは5回に1点を奪ったものの、最初の2イニング(3、4回)は無安打に封じ込まれた。「選手たちもボールが変化して、打ちにくいと言っていた」(金監督)。一般的に韓国のバッターは変則投手には弱いとされており、今回もこの点に攻略のカギがありそうだ。

 投げては左腕の李振昌が4回途中まで1安打無失点。立ち上がり、先頭打者にいきなり四球を与えたが、2番・蒋智賢のバント失敗に助けられ、リズムをつかんだ。「(球数制限の)70球まで投げる予定だったが、味方が6点をとって、次の試合も投げられるように調整してくれた」。43球で降板し、東京ラウンドでの再登板が可能になった。

 また鄭大ヒョン、林昌勇といった抑えの切り札も温存し、李振昌と、ラスト2イニングを投げた林泰勲を除くすべての投手を日本戦につぎこめる。中1日空いたことで投手起用の点では日本有利とみられていたが、条件的にはほぼイーブンの状態になった。

 たとえ7日の試合に敗れたとしても、中国−台湾の勝者を8日に破れば2次ラウンド進出が決まる。しかし、その分、試合数が増える。それだけにお互いに勝って一抜けしたいところ。「もっとも大事な試合」。原辰徳監督がそう位置づける大一番は7日19時、プレーボールだ。

○韓国・金監督
 試合前は不安な気持ちだった。勝因は相手がくれたチャンスをつかんで、大量得点できたこと。(明日の)打順は今日と似た感じになるだろう。ただ、(故障明けの)秋信守は所属球団(インディアンス)の要求通りにせざるを得ない。
 日本は投打ともに強く、バランスがいい。(予告先発の)松坂大輔は2000年のシドニー五輪の時に初めて見た。当時は速いボールをたくさん投げていたが、最近は変化球の割合が多くなっていると感じる。
 韓日戦といって特別なことはない。我々がやってきたことを出して、最善を尽くすだけだ。

○原監督
 韓国は予想通り、走攻守のバランスがとれた素晴らしいチームです。胸と胸と突き合わせ、力の勝負をしたいと思っています。

(石田洋之)

【7日の試合】( )内は予告先発
12:30〜 台湾(林岳平)×中国(呂建剛)
19:00〜 日本(松坂大輔)×韓国(金広鉉)

<A・ロッド、故障でドミニカ代表辞退>

 ドミニカ共和国代表のアレックス・ロドリゲスが右臀部の負傷を理由にWBC(ワールド・ベースボール・クラシック)を欠場することになった。前回大会では米国代表として出場したロドリゲスは、両親の母国であり、幼少期を過ごしたドミニカ共和国代表として参加する予定だった。メジャーリーグ最高年俸プレーヤー(2008シーズンより10年総額309億円)の不参加は、大会の盛り上がりに大きな影響を及ぼしそうだ。