23日、バレーボールワールドグランプリ(女子)ファイナルラウンド最終戦が東京体育館で行なわれた。昨年の北京五輪では金メダルを獲得し、世界ランキング1位を誇る強豪ブラジルと対戦した日本は、第2セットを接戦の末に奪うも、その後はブラジルのスピードと高さに苦戦。結局、セットカウント1−3で落とし、今大会は1勝4敗で最下位に終わった。なお、S竹下佳江がベストセッター賞を受賞した。

ブラジル 3−1 日本
(25−21、25−27、25−19、25−19)
 第1セット、日本は世界最強のブラジルを相手に今大会初めて序盤で先行し、幸先いいスタートを切った。前日の反省をいかすかのように、サーブで攻め、WS狩野舞子、WS栗原恵がエースを決めるなど、ブラジルのレシーブを崩した。中盤には最大5ポイント差をつけ、日本が試合の主導権を握った。ところが終盤、ブラジルが猛追する。19−16と日本3点のリードから、MB荒木絵里香のブロードがブロックで止められると、この試合大活躍したWSウェリサ・ゴンザーガの強烈なサーブをWS木村沙織が取りきれず、エースを決められる。さらに栗原のバックアタックが2枚ブロックにつかまり、同点に追いつかれた。勢いづいたブラジルは多彩な攻撃と、高いブロックで次々と得点を重ねていき、このセットを逆転で奪った。

 第2セットの序盤、日本はリードを奪うも、サービスミスを重ね、波に乗り切れない。逆にブラジルはゴンザーガのスパイクが冴え渡った。日本の3枚ブロックにも全く動じず、5−8と3点ビハインドから一人で3連続ポイントを決め、同点に追いつく。これを皮切りに7連続ポイントを奪ったブラジルが試合の主導権を握った。

 一気に劣勢になった日本を救ったのは、32歳のベテランWS谷口雅美だった。普段も同じチームに所属するS竹下佳江との息もピッタリ合い、ブラジルのコートに次々とスパイクをたたきつけた。これに他のメンバーも勢いづき、MB井上香織、MB庄司夕起のセンター陣に加え、木村、狩野のサイド陣も息を吹き返した。驚異の粘りで25−25と並ぶと、谷口のバックアタックが決まり、最後はブラジルのミスを誘い、このセットを奪い返した。

 続く第3セット、真鍋政義監督は谷口をスタートから起用した。しかし、その谷口が中盤からブラジルの厳しいマークにあい、連続でブロックポイントを奪われた。なんとか流れを変えようと、谷口に代えてWS坂下麻衣子を投入するも、結局逆転にまでは至らなかった。

 そして第4セット、またも日本は出足でつまづいた。日本のスパイクが決まらず、6連続失点を喫する。途中、ブラジルが連続ミスをおかすなど、日本に流れがいきかけた場面もあったが、中盤以降ブラジルは再び息を吹き返し、15−23と大量リードを奪う。日本も最後に粘りを見せ、木村の連続ポイントなどで食らいつくも、序盤の失点が大きく響き、結局追いつくことはできなかった。

「今大会を通じてどれだけ世界に通用するか見てきたが、サーブレシーブの成功率が80%を超えないと勝てないことがはっきりとわかった。また、他国とは違い、日本には絶対的なエースがいないので、スピードを上げ、一人ひとりのスパイク能力を上げていくことも必要だと感じた」と真鍋監督。今回は最下位に終わったものの、新生日本として学ぶことも多かったはずだ。9月にはアジア選手権、11月にはワールドグランドチャンピオンズカップを控えている。日本がどのように成長していくのか、今後も“火の鳥NIPPON”から目が離せない。