ジャパンラグビートップリーグ2009−2010シーズンの開幕まで10日となった24日、全14チームの監督、キャプテンらが一同に都内に会し、来るシーズンへの意気込みを語った。リーグの真下昇チェアマンは「我々は2019年W杯のホストユニオン。ホストユニオンの名称にふさわしいトップリーグであってほしい」と、10年後に開催が決まったW杯に向け、選手、関係者に一層のレベルアップを促した。
(写真:昨季覇者の東芝・廣瀬キャプテン(左)がトップリーグ杯を真下チェアマンに返還)
 2019年W杯の日本開催決定、2016年五輪での7人制ラグビー追加競技推薦――。
 日本ラグビー界にとっては「盆と正月がいっぺんに来たような喜び」(稲垣純一COO)の中、トップリーグは7年目の開幕を迎える。今季は2シーズンぶりに復帰したリコーブラックラムズと、初昇格となるホンダヒートの2チームが新たに加わった。

 新たな試みは来年2月の日本選手権への出場を争う「ワイルドカード・トーナメントの」開催。従来はリーグ6位まで自動的に選手権の出場権が与えられる形だったが、今季は自動的に権利を得られるのは上位4チームのみ。残りの2チームはリーグ5〜10位によるトーナメントで決定する。これによりプレーオフを目指す上位争いのみならず、日本選手権出場を巡る中位争いも盛り上がり、より白熱したゲームが見られそうだ。

 また各チーム3名まで無条件で外国籍選手の同時出場を認めていた規約を改め、3名のうち1名は日本代表経験選手、日本代表資格を有する選手、または今後、日本代表資格を保有しうる選手のいずれかに制限する。ラグビーの場合、他国での代表経験がなく、日本で3年以上プレーすれば外国人でも日本代表になれる。日本代表として活躍可能な外国人を入れることで、その強化につなげることが目的だ。

 開幕の第1節は昨季王者の東芝ブレイブルーパスと、日本選手権を制した三洋電機ワイルドナイツがいきなり激突する。昇格組の直接対決・リコー−ホンダ戦、平尾誠二、清宮克幸両指揮官が火花を散らす神戸製鋼コベルコスティーラーズ−サントリーサンゴリアス戦、九州ダービーの福岡サニックスブルース−九州電力キューデンヴォルテクス戦など、シーズンのスタートにふさわしい好カードがそろった。

 全14チームを代表し、神戸製鋼コベルコスティーラーズの大畑大介キャプテンは「トップリーグの成功なくして、2019年の成功なし。そして日本のラグビーの未来もない」と挨拶。ラグビーの強豪、伝統国以外では初開催となるW杯を盛り上げるためにも、トップリーグの戦いを充実させる必要性を訴えた。また昨季は選手の窃盗事件や大麻騒動など不祥事が相次いだことを念頭に、「グラウンド外に出た時にラグビー選手、一社会人、社会に影響力のある人間として、どれだけの行動ができるか。それがラグビー選手としての憧れにつながる」と呼びかけた。
(写真:勢ぞろいした全14チームの代表選手)

 リーグ戦は9月4日(金)のサントリー−三洋電機戦を皮切りに、初開催となる香川、三重も含めた35会場で全91試合を実施。プレーオフも含めた全試合で、昨年を約11万5000人上回る50万人の観客動員を目標に掲げている。上位4チームがトーナメント方式で争うプレーオフは1月24日(日)にセミファイナル、1月31日(日)にファイナルが行われる。

<トップリーグ2009-2010開幕カード>

9月4日(金)
 三洋電機ワイルドナイツ×東芝ブレイブルーパス (東京・秩父宮、19:30)
9月5日(土)
 リコーブラックラムズ×ホンダビート (東京・秩父宮、17:00)
 NECグリーンロケッツ×クボタスピアーズ (東京・秩父宮、19:00)
 コカ・コーラウエストレッドスパークス×近鉄ライナーズ (福岡・レベスタ、17:00)
 福岡サニックスブルース×九州電力キューデンヴォルテクス (福岡・レベスタ、19:00) 
 トヨタ自動車ヴェルブリッツ×ヤマハ発動機ジュビロ (愛知・瑞穂、18:00)
 神戸製鋼コベルコスティーラーズ×サントリー・サンゴリアス (大阪・長居第2、18:00)