オランダのロッテルダムで開かれている世界柔道選手権は29日、4日目を迎え、女子70キロ級の渡邉美奈(コマツ)が銅メダルを獲得した。準決勝で前回大会3位のアネット・メサロシュ(ハンガリー)に寝技で一本負けした渡邉は、3位決定戦でサリー・コンウェー(英国)と対戦。先にポイントをリードされる展開ながら、投げを連発して有効を奪い、延長に持ち込む。最後は得意の背負い投げが決まり、一本勝ち。アテネ、北京と五輪で連覇した上野雅恵が引退した階級で3位を確保した。
 女子78キロ級の中澤さえ(綜合警備保障)は初戦でいきなり世界ランク1位の強敵セリーヌ・ルブラン(フランス)と対決。相手を攻めきれず、2度の指導を受けて敗れた。
 男子90キロ級の小野卓志(了徳寺学園職)は3回戦で指導2つを受け、ポイントをリードされる苦しい展開。逆転を狙った内股も不発に終わり、敗退した。これで日本男子は最終日を前にして金メダルがひとつもない。前回大会も金メダルゼロで最終日に突入し、棟田康幸が無差別級を制してなんとか面目は保った。今回も100キロ超級の棟田、100キロ級の穴井隆将(天理大職)に望みを託すことになる。