オランダのロッテルダムで開かれていた世界柔道選手権は30日、男女残りの3階級を実施し、閉幕した。男子は100キロ級の穴井隆将(天理大職)が銅メダル、100キロ超級の棟田康幸(警視庁)が3回戦敗退。日本男子は階級制が導入されて以降、五輪、世界選手権で初めて金メダルを獲得できずに大会を終了した。女子は78キロ超級で塚田真希(綜合警備保障)が銅メダルを獲得。今大会の日本勢は男女合わせて金3、銀1、銅3個の結果だった。
 お家芸の面目を保つことはできなかった。金メダルへ最後の望みを託した穴井と棟田は準決勝にも残れず、早々と敗れた。

 2年前の世界柔道、最終日に無差別級で日本男子唯一の優勝を果たした棟田は初戦を内股で突破。しかし、3回戦で投げを打たれた際に左肩と右太ももを痛め、思うような柔道ができない。攻め手がなく指導を4度受け、反則負け。前回は日本男子を救った男が、今回は全体の不振を象徴するような結果に終わった。

 一方の穴井は初戦で北京五輪90キロ級金メダリストのイラクリ・チレキゼ(グルジア)と対戦。強敵相手に上四方固めで一本を奪い、波に乗るかと思われた。ところが迎えた準々決勝、エルマル・ガシモフ(アゼルバイジャン) に仕掛けた大外刈りが空振り。返し技で投げを打たれ、背中から畳に落ちた。あっけない一本負けだった。その後の敗者復活戦、3位決定戦と連続一本勝ちで強さを示しただけに、悔やんでも悔やみきれない敗戦となった。

 また女子78キロ超級の塚田は準々決勝で、北京五輪金メダリストのトウ文(中国)に開始早々、押さえ込まれて一本負け。五輪決勝で敗れた相手に雪辱を果たせなかった。それでも敗者復活戦、3位決定戦は一本を奪い、過去3度メダルを獲得している大会で、3位は確保した。