大相撲秋場所は27日、東京・両国国技館で千秋楽が行われ、横綱・朝青龍が優勝決定戦で横綱・白鵬を下し、4場所ぶり24回目の優勝を飾った。朝青龍は本割で白鵬に敗れ、全勝優勝こそならなかったが、決定戦での再戦を制した。24回の優勝は北の湖(元横綱・現親方)に並び、史上3位タイ。朝青龍にとって、この日は自らの29回目の誕生日で、最高のバースディとなった。
 横綱対決にふさわしい力の入った大相撲だった。14勝1敗同士で並んだ優勝決定戦。まず本割では東の横綱・白鵬が意地をみせた。立ち合いで朝青龍を圧倒し、一気に西土俵へ寄り切る。土つかずでトップを走っていた西の横綱を自力でひきずり降ろし、これで本割の朝青龍戦は5連勝。内容でも大きく上回る相撲に、決定戦も白鵬有利との見方が強まった。

 しかし、決定戦では23回の優勝を誇る朝青龍の経験が勝った。本割の立ち合い負けを反省し、右のど輪で白鵬の出足を止めると、左で前みつをガッチリつかむ。さらに頭をつけると休まず、正面土俵へ寄り立てた。これをこらえた白鵬は右の下手をねじ込み、相手を起こしにかかる。しかし、朝青龍は左から投げを打って再び頭をつけ、体格で勝る後輩横綱にスキを与えない。最後は右からすくって153キロの白鵬を宙に浮かせ、西土俵に投げ飛ばした。

 ライバル横綱に本割で敗れながら決定戦を制したのは、休場明けで復活優勝を遂げた今年初場所とまったく同じ展開。勝ち名乗りを受けた後、土俵上でガッツポーズをしてみせたのも同様だった。稽古不足や土俵でのふるまいなど、朝青龍に対する風当たりは依然として強い。だが、今回も結果でそれらを封印する形になった。白鵬は史上初の5場所連続14勝以上をマークしたものの、またも決定戦で苦杯をなめ、目標とする大横綱・双葉山の優勝回数(12回)に並べなかった。

※なお、本日22時より、二宮清純がインタビュアーを務めるBS朝日「勝負の瞬間(とき)」には白鵬がゲストとして登場します。どうぞお見逃しなく。
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