2日(現地時間)、デンマーク・コペンハーゲンでIOC(国際オリンピック委員会)総会が開催され、2016年夏季オリンピックの開催を目指した東京は落選した。IOC委員の投票に先立って行なわれた最終プレゼンテーションには鳩山由紀夫総理大臣や石原慎太郎都知事が出席し、各委員へ最後の訴えを行なった。しかし4都市が立候補している中、東京は2回目の投票で脱落し、2016年オリンピック開催はならなかった。
 開催地決定は決選投票に持ち込まれ、リオデジャネイロ(ブラジル)がマドリッド(スペイン)を破り、南米で初めての大会が行なわれることとなった。
 IOC総会での投票は、候補地に名乗りを挙げていた東京、シカゴ(米国)、リオデジャネイロ、マドリッドの4都市いずれかが過半数を獲得するまで行なわれ、最も獲得票数の少ない都市が脱落する方法が取られた。

 第1回目の投票で過半数を獲得した都市はなく、マドリッド28票、リオデジャネイロ26票、東京22票で、最も少ない票数だったのは18票のシカゴだった。最終プレゼンテーションではバラク・オバマ大統領が登場し、猛烈な追い上げを見せているといわれていただけに、意外な結果に終わった。

 続く第2回目の投票でも過半数を獲得した都市はなく、リオデジャネイロ46票、マドリッド29票、そして東京が20票で落選することとなった。4時間のリハーサルを行い、最終プレゼンに万全を期したものの招致成功に結びつかなかった。

 昨年の1次選考では高い評価を得ていた東京。しかし、その後のロビー活動では思ったような成果を挙げるに至らず。特に不安材料とされてきたのは都民の支持率の低さだ。IOCが行なった調査では55.5%と4都市の中で最も低い数字だった。招致委員会が行なった調査では80%を超えていると主張したものの、IOC委員には受け入れられなかった。

 環境を重視すること、またコンパクトな大会を目指すというコンセプト自体は悪くなかったものの、国内世論を動かすことができなかったのが最も大きな敗因だ。また、52年前の大会施設を再利用する「レジェンド構想」を前面に押し出したものの、他都市がこれまで一度も五輪開催がなかったために、2度目の開催となることも東京にとって不利に働いたようだ。

 一方、南米で初の開催となるリオデジャネイロは、開催決定の瞬間、多くの市民が喜びを爆発された。2014年にはサッカーW杯がブラジルで開催されることが決定しており、国際的スポーツイベントが連続して行なわれる。経済成長著しい南米の大国・ブラジルに、世界中の視線が集まることになりそうだ。