東京シティ競馬(TCK)の呼称で知られる大井競馬場では、東京の夜を彩るトゥインクルレースが開催中です。10月19日(月)から23日(金)までの5日間の開催では、古馬牝馬の重賞TCKディスタフ(S?、1800m)を含む60レースが組まれ、激しいレースを展開しています。TCKではスローガン『走れ、ドラマ。TCK』を掲げ、競馬にまつわるドラマにスポットをあてています。TCKコメンテーターに当HP編集長・二宮清純が就任し、砂上で繰り広げられる様々な物語や競馬の持つ魅力をお伝えしています。
(写真:“白毛のアイドル”ユキチャン)

 21日(水)のメインレースは第6回TCKディスタフです。2003年に大井競馬場で開催された第3回JBCクラシック(G?)、JBCスプリント(G?)のアンダーカードとして誕生した同レース。翌年には重賞競走としてG3に格付けされ、今日に至っています。レース名の由来となったのはダート競馬の本場・米国の競馬の祭典ブリーダーズカップで行なわれる最強牝馬決定戦「BCディスタフ」(現在は「レディーズ・クラシック」と改名)です。距離も本場と同じく1800mで行なわれ、地方競馬の最強牝馬を決定するレースとなっています。

 今年の出走馬で注目の存在といえば、なんといっても“白毛のアイドルホース”ユキチャン(牝4、川崎・山崎尋美厩舎)です。中央競馬所属時から非常に珍しい白毛馬として抜群の人気を誇ったユキチャン。昨年6月、川崎競馬場で行なわれた関東オークス(Jpn?、2100m)を8馬身差で圧勝し、日本競馬史上初の“白毛の重賞ウィナー”となりました。昨秋は牝馬3冠の最終関門・秋華賞(Jpn?、京都2000m)に挑戦しましたが、ユキチャンの能力を発揮するにはやはりダートの舞台です。中央競馬にはダート牝馬路線が整備されておらず、戦いの場を地方交流競走に求めました。

 古馬と初対戦となった12月のクイーン賞(Jpn?、船橋1800m)、TCK初登場となった1月のTCK女王杯(Jpn?、1800m)と、連続して2着となり惜しい競馬が続きました。しかし、その後2戦は精彩を欠き、もう1年半近く勝ち星から遠ざかっています。このまま中央競馬に所属したままでは、出走するレースの数も限られ、ユキチャンの雄姿をファンの前にお見せすることができません。そこで関係者は9月に地方競馬への移籍を決断、南関東の川崎競馬へ移籍することとなったのです。そして、迎える移籍初戦が21日のTCKディスタフ。愛らしい名前と優美な馬体とは裏腹に、ユキチャンの走りはパワーが溢れ非常にダイナミックです。決して話題先行の馬ではなく、今後の南関東競馬の重賞戦線をにぎわせる存在だけに、移籍初戦の走りに多くの注目が集まっています。

 ユキチャンのライバルとなるのは、前々走の黒潮盃(S?、1800m)を牡馬相手に快勝したツクシヒメ(牝3、船橋・山浦武厩舎)、トゥインクルレディ賞(S?、1600m)で鋭い末脚で2着に追い込んだベルモントプロテア(牝5、船橋・出川克己厩舎)といった馬たち。稀代のアイドルホースの出走レースだけに、ユキチャンを負かすことになれば多くの視線が注がれることになるでしょう。これまで南関東重賞路線のヒロインを演じてきた彼女たちの意地にも期待したいところです。

 TCKホームページでは『二宮清純責任編集 TCKドラママガジン』を発行し、好評配信中です。トゥインクルレースで行われる重賞レースを編集長の視点から綴っていく“TCKドラマコラム”や、主要な重賞レースを独自の切り口から分析する“重賞千里眼”(明日、TCKディスタフの予想を公開)、競馬のプロフェッショナルたちと熱い競馬談義を交わす“ガチンコ対談”(的場文男騎手との後編を公開中)など、様々なコンテンツを展開しています。

 秋も深まり風は冷たくなりつつありますが、東京のベイエリアでは暑いドラマが繰り広げられています。『食欲の秋、芸術の秋』に様々な競馬場グルメを片手に、美しいサラブレッドの姿を鑑賞するのはいかがでしょうか。是非TCKトゥインクルレースへご来場し、ライブで競馬を楽しんでください。

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【10月開催日程】
10月19日(月)〜23日(金) 
開門14:20 最終レース発走20:50
【10月重賞日程】
10月21日(水) TCKディスタフ(S?) 20:15発走