日本独立リーグ・グランドチャンピオンシップ2009は31日、高知球場で第3戦が行われ、BCリーグチャンピオンの群馬ダイヤモンドペガサスは四国・九州アイランドリーグチャンピオンの高知ファイティングドッグスに7−5で競り勝ち、対戦成績を1勝2敗として踏みとどまった。群馬は3点を先行されたが、5回に丹羽良太のタイムリーで1点、6回に青木清隆の2点打などで3点をあげ、逆転に成功する。終盤、粘る高知に同点においつかれたものの、最終回に川村修司のスクイズで勝ち越し。さらに1点を追加して、勝利を引き寄せた。
 川村、決勝のスクイズ!(群馬1勝2敗、高知球場、922人)
群馬ダイヤモンドペガサス 7 = 000013102
高知ファイティングドッグス 5 = 003000110
勝利投手 堤(1勝0敗)
敗戦投手 山隈(0勝1敗)
セーブ   越川(1S)
本塁打   (高)YAMASHIN1号ソロ

 一気に3連勝で日本一を決めたい高知、踏みとどまりたい群馬。場所を群馬から高知に移して行われた第3戦、両チームはもっとも信頼できる投手を先発に立てた。高知は第1戦で完投勝利をおさめている吉川岳、群馬は第2戦で8回1失点と好投した堤雅貴。初回、群馬は吉川の立ち上がりを攻め、連打で1死1、2塁のチャンスをつくるが、後が続かず、先制点を奪えない。

 一方、初回を三者凡退と順調に滑り出した堤だが、3回につかまる。きっかけは先頭の流大輔への四球。送りバントで得点圏に走者を進められた後、1番・YAMASHINには1−2と打者有利のカウントから左中間にタイムリー3塁打を打たれた。続く西本泰承もセンター前にはじき返し、2点目。なおも盗塁と送球エラーでピンチが広がり、4番カラバイヨに右中間を鋭い当たりで破られ、高知がこの回3点を先行した。

 毎回のように走者を出しながら、吉川をとらえきれなかった群馬は、5回に反撃を開始。まず、このチャンピオンシップ初スタメンとなった8番・遠藤靖浩がヒットで出塁し、送りバントで2塁に進む。2死後、第1戦でも吉川からタイムリーを放っている丹羽がレフト前へ。まず1点を返した。

 続く6回、群馬は先頭打者が相手のエラーで塁に出る。その後、四球で走者がたまるも後続が倒れ、2死1、2塁。ここで秦真司監督は9番・肥田貢次に代えて代打・吉越佑太を起用する。第1戦で吉川に3打数0安打で、スタメンを外れた右打者は3球目をセンター前へ打ち返した。タイムリーとなり、1点差。なおも打順が1番に戻って山田憲が四球で歩き、満塁とチャンスが拡大する。迎えた2番・青木清隆の当たりはライト前方へポトリと落ちる。2者が生還して、4−3。群馬が逆転に成功する。

 さらに7回、左中間2塁打を放った井野口祐介が内野ゴロの間に3塁へ進塁。続く打者が三振を喫した際に、飛び出して挟まれたものの、高知のランダウンプレーの乱れに助けられ、貴重な追加点のホームを踏む。堤は5、6回と高知打線を三者凡退に封じ、7回も先頭にヒットを許しながらダブルプレー。流れは完全に群馬のペースだった。

 ところが高知もあっさりとは終わらない。ダブルプレーの直後、YAMASHINがライトへソロ本塁打を放ち、1点差。8回には球数が130球を越え、疲れの見える堤に対し、カラバイヨ、中村龍央の連打と四球で1死満塁と攻め立てる。ここで7番・中平大輔はセンターへの犠牲フライ。3塁走者がタッチアップから生還し、高知が試合を振り出しに戻した。ただ、続くピンチを堤は断ち切り、勝ち越しは許さない。

 そして最終回、高知は8回からマウンドに上がっている2番手の山隈茂喜がいきなり、連続四球を与えてしまう。群馬は確実に送りバントで1死2、3塁とし、打席に入るは6番・川村修司。初球、ベンチはスクイズを敢行する。サード前に転がったボールは切れることなく、オールセーフ。捕手として堤のボールを受け続けてきた女房役が役割を果たし、群馬が勝ち越しに成功した。さらに志藤恭太の犠飛もあり、ノーヒットで貴重な2点目。その裏は越川昌和が高知の打者3人を完璧に抑え、逃げ切った。

 群馬はスタメンの入れ替えや代打策が的中し、チャンピオンシップ初勝利。高知は守備の乱れや無駄な四球が失点につながり、先制しながら試合の主導権をつかみ損ねた。第4戦は11月1日に実施される予定だったが、雨のため中止。順延で2日に実施される。