14日、東京・有明コロシアムで全日本テニス選手権が行なわれた。第1試合女子シングルス決勝では17歳新人の奈良くるみ(大産大付高)が米村知子(AJIA PARTNERSHIP FUND)を7−5、6−1のストレートで下し初優勝。第2、3試合では男子シングルス準決勝が行なわれ、ディフェンディングチャンピオンの添田豪(ミキプルーン)と杉田祐一(三菱電機)が明日の決勝進出を決めた。そして最後に混合ダブルス決勝が行われ、植木竜太郎(伊予銀行)クルム伊達公子(エステティックTBC)組がストレート勝ちを収め、優勝に輝いた。
(写真:優勝ペアと伊予銀行・秀島達哉監督<中央>)

>>「いよぎんレポート」はこちら
「これまで支えてきてくれた秀島監督、ありがとうございました!」
 試合後の優勝インタビュー、植木選手の声が震えていた。優勝が決まった瞬間、ガッツポーズをしながらそのままコートに倒れこんだ植木選手。これまでにない大きなプレッシャーに押し潰されそうになりながらも結果を残し、その喜びを爆発させた。

 伊予銀行男子テニス部と伊達選手との出会いは昨夏、両者が指導を受けているナショナルゼネラルマネジャーを務める小浦武志氏の案によって実現した合同合宿だ。今夏も伊達選手からの要望で約1週間にわたって合同合宿が行なわれ、小浦氏のもと、強化トレーニングが行なわれた。伊予銀行にとってはもちろん、伊達選手も「女子よりもパワーもスピードもある男子と一緒に練習できるのは、自分にとっていいトレーニングになる」と合同合宿の意義を強く感じている。さらに植木選手は、伊達選手が出場した9月の広州国際女子オープン(中国)にヒッティングパートナーとして約1週間、彼女に帯同した。

 こうした交流によって叶えられた今回の混合ダブルス。注目度の高い伊達選手と組んだ植木選手のプレッシャーは計り知れない。それでもコート上の彼は、ひるむことなく堂々としていた。「初日からプレッシャーはかなりあった。でも、この優勝で一皮向けたんじゃないかと思う」と秀島監督。伊予銀行のチームメイトにとっても好影響をもたらすこと必至だ。実業団の王座決定戦ともいえる日本リーグでその活躍が期待される。