今季も交流戦はパ・リーグの勝利に終わった。61勝44敗3分。交流戦がスタートして今年で11年目になるが、セ・リーグが勝ったのは2009年の1回だけだ。

 今季、セ・リーグで勝ち越したのは10勝8敗の阪神だけ。交流戦前まで首位を争っていた横浜DeNAは3勝14敗1分と大敗した。

 そんな中にあって、9勝9敗と5割で乗り切ったカープは健闘した方だろう。交流戦前と同じ借金は7ながら、首位とのゲーム差は8.5から4.5にまで縮まった。

 後半戦への期待を抱かせたのは、交流戦優勝を果たした福岡ソフトバンクに2勝1敗と勝ち越したことである。しかも敵地の福岡ドームで。正直言って、一つ勝てば御の字だと思っていた。

 というのもカープはソフトバンクに弱く、昨季までの公式戦での対戦成績は12勝29敗3分。敵地では5勝15敗2分と全く歯が立たなかったからだ。初戦での黒田博樹の好投が苦手意識を払拭したように映る。

 ソフトバンクのある選手がつぶやいた。「カープが最下位にいるなんて信じられない」。敵地で巨人を3タテにしながら、本拠地でカープに負け越したのだから、そう口にするのもわからないではない。裏を返せば「ベンチさえしっかりしていれば、もっと勝てるはず」ということだろう。

 最下位とはいえ、首位・巨人とのゲーム差は4.5。ここからの巻き返しは十分に可能である。

(このコーナーは二宮清純が第1、3週木曜、書籍編集者・上田哲之さんは第2週木曜を担当します)

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