セ・パ両リーグが発表した12球団の観客動員数(4月30日まで) 伸び率トップはカープの32.8%(前年比)だった。

 5月2日付の日本経済新聞には【プロ野球観戦券の取引に占める広島カープのホーム試合の割合が巨人に次ぐ2位に浮上した。昨シーズンの1%未満から15%に増え、14%の阪神を上回った】との記事が出ていた。フロントはホクホク顔だろう。

 好況の最大の理由は黒田博樹の8年ぶりのチーム復帰である。これによって一気に優勝の期待が高まり、ファンが球場に押し掛けるようになった。

 だがチームの成績はチケットの売り上げに反比例している。5月7日現在、13勝18敗でリーグ最下位。悪いことは重なるもので、3日に黒田が右腓骨筋腱周囲炎で登録を抹消された。

 フロントも手をこまねいているわけではない。不振を解消すべく、4月にはネイト・シアーホルツを獲得した。推定年俸約1億3900万円。今までのカープでは考えられなかったことだ。故障で戦線を離脱しているヘスス・グスマンも推定年俸約1億800万円だ。

 しかし、外国人は獲ってみなければ分からない。現段階では期待を大きく裏切っている。

 翻って新外国人投手のクリス・ジョンソンは防御率0.82でリーグのトップ。こちらは期待以上だ。スカウトのエリック・シュールストロムの眼力には恐れ入るが、バッターの方はどうにも心もとない。野手部門の米在住スカウトも強化してもらいたい。

(このコーナーは二宮清純が第1、3週木曜、書籍編集者・上田哲之さんは第2週木曜を担当します)


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