セ・リーグのホームラン王を確実にしているブラッド・エルドレッドとの契約は今季限りだ。2度の2軍落ちはあったものの、37本塁打、104打点(10月1日現在)の打棒は圧巻である。

 気になるのは去就だ。関係者の間でも彼の評価は真っ二つに割れている。「確かに穴は多いが、一発で試合を決められるパワーは魅力。40本近くホームランを打てる外国人を探すのは困難」と残留を望む声がある一方で「エルドレッドの弱点は各球団に知れ渡っている。来季以降、活躍する可能性は低い」と解雇やむなしの声もある。

 エルドレッドの去就は外国人枠の中で模索されるべきである。昨季、途中入団ながらカープの16年ぶりのAクラス入りの原動力となったキラ・カアイフエが今季は、さっぱりだった。エルドレッド同様、キラも単年契約。「エルドレッドを切るよりもキラの方が先だろう」との声もある。

 仮に2人まとめて解雇した場合、2人以上の成績を残せる外国人を用意できるのか。そうした疑問にも球団は答えなくてはならなくなる。

 今のところ残留が確実なのは、外国人枠の関係で1軍と2軍を行き来しながらも、打率3割4分2厘、14本塁打、49打点の好成績を残しているライネル・ロサリオくらいだ。来季はマークされるだろうが、フル出場を目標にして欲しい。彼の潜在能力は、まだまだこんなものではないような気がする。

(このコーナーは二宮清純が第1、3週木曜、書籍編集者・上田哲之さんは第2週木曜を担当します)

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