8月5日と6日の中日戦、カープは2試合連続で1点差負けを喫した。スコアはいずれも2対3。

 これで今季のカープの1点差試合は8勝13敗となり、負けが5つ先行している。6日現在、首位・巨人とのゲーム差は3.5。まだ優勝を狙える位置にいるだけに、僅差のゲームは何が何でもモノにしておきたいところだ。

 参考までに述べると巨人の1点差試合は18勝9敗。勝負強さが、はっきりと表れている。

 巨人の数字で驚くのは総得点がリーグワーストの379であるのに対し、総失点がリーグ最少の384。総失点が総得点を5も上回りながら、貯金を10もつくるというのは、野球がうまい証拠である。

 しかし、逆に考えれば、「今季の巨人に相手をねじ伏せるだけの絶対的な力はない」とも言える。本当に強いチームなら、総得点が総失点を下回ることはありえない。

 同じことは2位・阪神についても言える。総得点がリーグ最多の425であるのに対し、総失点は422。総得点が3つしか上回っていないのに貯金は7つ。効率のいい戦い方をしている証拠だろう。

 さてカープはといえば、総得点が419で総失点が401。総得点が総失点を18も上回っている。これはセ・リーグではトップである。にもかかわらず貯金3の3位というのは、試合の運び方に改善すべき点が多いということだろう。

(このコーナーは二宮清純が第1、3週木曜、書籍編集者・上田哲之さんは第2週木曜を担当します)

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