前節(22日)の栃木戦は0-1で敗れ、3連敗。一言で言うともったいない試合でした。お互いに連戦で体が思うように動かない中、どちらにもチャンスがありました。


 それだけに、せめて勝ち点1は持って帰りたい試合でしたね。栃木の得点は相手を褒めるしかない素晴らしいゴール。愛媛は決めておきたいところで決められなかったことが敗戦という結果になってしまいました。


 この試合、残念ながら僕は出場機会がありませんでしたが、前々節(19日)のホームのモンテディオ山形戦では1点ビハインドの残り10分の場面でピッチに送り込まれました。


 もちろん、狙うは同点ゴール。1度、ドリブル突破できそうなシーンがありましたが、相手のカバーが予想以上に速く、決定的なシーンをつくれなかったのは残念です。


 ボールを受けた時点では、あのままゴール前まで持ち込み、相手の守りが寄せてくれば、同じように前線に走ってきたFW有田光希にパスを出すつもりでした。逆に相手の寄せが甘ければ、自分でシュートを打つ。いずれにしても数的有利をつくりだせる状況だっただけに悔しいの一言です。


 正直、ウサイン・ボルトのようなスピードがあれば間違いなく突破できていたでしょう。五輪でボルトの走りを見て、かなり刺激を受けていたので、そのイメージでドリブルしたかったものです。


 今回の五輪、僕がサッカー以外で一番印象に残ったのはボルトでした。五輪前に彼の特集をテレビで観て、その練習量のすごさと脊柱側湾症というハンデを乗り越えた精神力には本当に感心させられましたね。そして本番でも余裕の走りで3冠を達成し、次元の違いを感じました。


 たとえ、彼と同じように走れなくても「ボルトのように足が速くなりたい」と思い続けることは大切だと僕は考えています。何事も具体的な目標を定めて努力することがレベルアップの近道です。


 これは個人だけでなく、チームも同様だと感じます。このところ結果は出ていませんが、「次は勝つ」という気持ちを絶対に失ってはいけません。次節(26日)のFC岐阜戦は夏休み最後のホームゲーム。この夏は四国ダービーに、先の山形戦と、ニンジニアスタジアムに来ていただいたサポーターの皆さんには申し訳ない思いをさせてしまいました。


 岐阜戦こそは笑顔で帰ってもらえるよう、結果にこだわって戦います。ひとつ勝つことで、流れは必ず変わるはずです。どうかスタジアムで引き続きの応援をよろしくお願いします。


(この連載は毎月第2、4木曜更新です)


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