第86回東京箱根間往復大学駅伝競走は2日、第1日目となる往路5区間(108.0キロ)でレースが行われ、東洋大が昨年に続いての往路優勝を果たした。東洋大は山登りのエキスパート柏原竜二が昨年以上の走りを見せて逆転。2位の山梨学院大に3分36秒差をつけて、3日の復路へとつないだ。
 優勝候補を抑えて1区からトップに躍り出たのは明治大だった。2区以降徐々に2位との差を広げていった明治大は、4区から5区への小田原中継所では2位の日本体育大学に2分39秒差をつけた。

 しかし、5区で大逆転劇が待ち受けていた。昨年、9位から首位に立ち、“山の神様”と言われた今井正人(元順天堂大)が2007年にマークした1時間18分5秒を大きく上回る1時間17分18秒の区間記録を樹立した柏原は4分26秒差、7位でたすきを受ける。

 柏原は昨年を彷彿させるような力強い走りで、6キロ前には3位に上がると、そのままグングン前との差を縮めていく。そして12.7キロでついにトップを守り続けてきた明治大をとらえると、一気に抜き去った。最後は自らの記録との勝負となったが、昨年のタイムを10秒縮め、1時間17分08秒の区間新記録でゴールテープを切った。

 4区までトップを守った明治大は6位、優勝候補とされていた早稲田大は7位、復活を目指した駒澤大は8位となった。出雲駅伝、全日本大学駅伝を制し3冠を狙う日大は、昨年大会史上最多の20人抜きを記録したダニエルが2区で11人を抜いて2位に上がったものの、3区以降順位を落とし、13位と大きく出遅れた。

 往路の順位は以下の通り。
(1)東洋大、(2)山梨学院大、(3)日本体育大、(4)中央大、(5)東京農大、(6)明治大、(7)早稲田大、(8)駒澤大、(9)青山学院大、(10)城西大、(11)関東学連選抜、(13)東海大、(13)日本大、(14)上武大、(15)帝京大、(16)中央学院大、(17)専修大、(18)法政大、(19)亜細亜大 (20)大東文化大