横浜DeNAには今季、中日を自由契約になったホルヘ・ソーサ、マキシモ・ネルソン、トニ・ブランコの3選手が入団した。多村仁志も福岡ソフトバンクから復帰したし、にぎやかなことである。

 阪神には西岡剛(前ツインズ)、福留孝介(前ホワイトソックス)、捕手は日高剛もFAでオリックスから入った。

 変わった話題としては桑田真澄氏(元巨人、パイレーツ)が東大野球部の特別コーチに就任するそうだが、これは、セ・リーグの動向には関係ありませんね。

 わがカープの話題を探すと、野村祐輔と上本崇司(ともに広陵-明大)の激励会が行われたそうだ。

 ま、いずれにせよ、この時期は各球団とも威勢のいい話が並ぶ。なかでも派手なのは、冒頭にあげた阪神とDeNAだろうか(楽天もアンドリュー・ジョーンズ(前ヤンキース)に斎藤隆(前ダイヤモンドバックス)と派手な補強だが、ここはセ・リーグに限ってみる)

 よく聞かれるのは、今年の阪神は強いのではないか、という見解だ。たしかに、西岡や福留は戦力になるだろう。しかし、本当にチームとしてまとまるのだろうか。個々の能力がいかに優れていても、チームとしてまとまらなければ、長いペナントレースは戦えないのではないか。

 かといって、昨季Aクラスだった中日、東京ヤクルトが大きな戦力アップに成功したわけではない。むしろ、2年越しで菅野智之(東海大)をとった巨人のほうが戦力アップしたというべきか。

 こうして考えてみると、今年のセ・リーグは去年よりも、さらに顕著な“1強5弱”状態になると予想される。

 これは、カープにとっては願ってもない展開である。なにしろ、2位は十分可能なのだ(本当のことを言えば、昨季も十分可能だったが、今年はさらにその可能性が高まった)。

 むしろ、こう言うべきである。巨人を除く5チームのうち、どこが2位と3位で生き残るか。それは首脳陣、ひいては監督の腕次第なのではないか、と。

 5人のうち、誰がより優れた指揮官なのか。今季は、それを楽しむシーズンとも言えそうだ。

(このコーナーは二宮清純と交代で毎週木曜に更新します)
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