8月19日(水)

◇準決勝
 佐藤世、6安打完封
仙台育英(宮城)    7 = 003400000
早稲田実(西東京)   0 = 000000000
本塁打 (仙)平沢3ラン
 投打に中心選手が活躍した仙台育英が、26年ぶりの決勝進出。東北勢悲願の甲子園初制覇まで、あと1勝と迫った。

 仙台育英は3回、無死2、3塁から青木玲磨(3年)がライトへ流し打って2点を先制する。さらに1死三塁から4番・郡司裕也(3年)の当たりが三塁への内野安打となり、3−0とした。

 早実も、その裏、2死満塁のチャンス。だが、仙台育英のエース・佐藤世那(3年)がリードの大きな二塁走者を見逃さず、牽制でアウトに仕留める。「あれは大きかった」と佐々木順一朗監督が振り返ったプレーで、流れは仙台育英に傾いた。

 続く4回、2死二塁から相手のエラーで1点を追加すると、なおも一、二塁で打席には3番の平沢大河(3年)が入る。変化球を見事にとらえると右中間スタンドへの3ラン。この大会、3本目となる中軸のホームランで7−0とリードを広げた。

 先発の佐藤は毎回のように走者を背負いながら、要所を締めて、早実に反撃を許さない。3番の清宮幸太郎(1年)を内野安打1本、4番の加藤雅樹(3年)を無安打に封じ、終わってみれば6安打完封勝利を収めた。勝った佐々木監督は「地に足についた野球ができている。ピッチャーを回復させて万全の状態で決勝に臨みたい」と決戦への意気込みを示した。

 初回、5連打で主導権奪う
関東一(東東京)     3 = 000000120
東海大相模(神奈川) 10 = 41004100×
本塁打 (東)豊田2ラン

 初回から鮮やかな先制攻撃をみせた東海大相模が、関東一を圧倒して5年ぶりの決勝進出。1970年以来の夏制覇に王手をかけた。

 試合は立ち上がりから動いた。1回、無死一塁から宮地恭平(3年)がレフト線を破る二塁打。一塁走者が長躯ホームインして1点を先行する。さらに杉崎成輝(3年)の打球は一塁線を痛烈に突破し、2点目をあげる。ここで4番の豊田寛(3年)がレフトスタンドへ叩きこむ2ラン。4連打であっという間に4−0とリードが広がった。

 東海大相模は2回にも相手の守備の乱れに乗じて1点を追加。5回には川地星太朗(3年)のタイムリーなどで2点を加えると、なおも2死二、三塁から宮地が三遊間を割って2者が生還する。これで9−0と大差をつけた。

 6回にも1点を奪って得点を2ケタに乗せた東海大相模は、先発の右腕・吉田凌(3年)が7回1失点で試合をつくる。準々決勝では先発しながら4回途中3失点と本領を発揮できなかったが、「粘り強く、最後まで投げ切ろうと思った」と連打を許さない投球で役割を果たした。

 関東一は8回からマウンドに上がった左腕の小笠原慎之介(3年)を攻め、さらに2点を返したものの、反撃もここまで。注目の外野手・オコエ瑠偉(3年)は5打数1安打だった。

 東海大相模の吉田は「ラスト1試合なんで、1球1球、全力で投げていきたい」と決勝でも力投を誓った。吉田、小笠原と左右の2枚看板を揃え、大会前から優勝候補と目されたチームが頂点に挑む。