5日、女子バスケットボールのリオデジャネイロ五輪アジア予選を兼ねたFIBAアジア選手権決勝が中国・武漢で行われ、女子日本代表(世界ランキング15位)は、女子中国代表(同8位)を85−50で下し、連覇を達成した。日本は2004年アテネ五輪以来、3大会ぶり4回目の五輪出場を決めた。敗れた中国と3位に入った韓国代表(同12位)は世界最終予選に回った。

 エース渡嘉敷、2大会連続のMVP
女子日本代表 85−50 女子中国代表
【第1Q】23−11【第2Q】21−11【第3Q】24−12【第4Q】17−16
 ハヤブサジャパン(バスケットボール日本代表の愛称)がリオへの切符を最短距離で掴み取った。

 29日に始まったアジア選手権。前回優勝国の日本は1次リーグを韓国、インド、チャイニーズ・タイペイ、中国、タイに5連勝し、予選1位で通過した。準決勝ではチャイニーズ・タイペイを65−58で破り、決勝へとコマを進めた。決勝は開催国で格上の中国。1次リーグでは終了間際のPG吉田亜沙美(JX-ENEOSサンフラワーズ)の逆転ゴールで57-56と競り勝っている。

 第1クォーター(Q)は中国に先制を許したが、SG本川紗奈生(シャンソン化粧品シャンソンVマジック)のレイアップ、C渡嘉敷来夢(シアトル・ストーム)のブロックショットでリズムを掴むと、司令塔の吉田のパスからSF山本千夏(富士通レッドウェーブ)が連続ポイントを奪うなど得点を積み重ねた。第1Qは23-11と大きくリードして終えた。

 日本は完全アウェーという環境下ながら、ノビノビとプレー。逆にホームの中国は硬さが見られた。中国側にターンオーバーが目立ち、何度もタイムアウトを取った。流れは完全に日本のものだった。第2Qは21-11と、さらにその差を広げる。44-22とダブルスコアで試合を折り返した。

 後半に入っても、本川、山本がゴールが面白いように決まる。日本は第3Q終え、68-34とダブルスコアのまま。34点の大量リードで残り10分を迎えた。第4Q終盤は全選手をコートに投入する余裕を見せた。日本は最後までリードを守り切り、危なげなく85-50と圧勝した。タイムアップの瞬間、歓喜の輪を作った。日本は大会連覇、そしてリオ五輪への出場を決めた。

 国際バスケットボール連盟(FIBA)から日本バスケットボール協会(JBA)への資格停止処分により、今大会の出場すら危ぶまれていた日本。JBAの改革により、ギリギリで処分は解除された。逆境を乗り越えたハヤブサジャパン。3大会ぶりの五輪出場を決め、主将の吉田は「やっとスタートラインに立てた」と語る。武漢で手にしたアジア女王の称号を手土産に、来夏リオ五輪に臨む。

(文/杉浦泰介)