缶コーヒーブランド「ジョージア」は、今シーズンよりプロ野球12球団と提携、さらにNPBパートナー契約を締結し、“チームの勝利のために貢献した素晴らしいプレー”に贈られる「ジョージア魂」賞を創設しています。このたび、第10回の「ジョージア魂」賞が決定しました。今回は中日・山本昌投手が8月7日(対阪神戦)にみせた今季初登板初勝利に対して賞が贈られます。

(写真:9月4日の巨人戦では史上最年長完封勝利(45歳0カ月)も達成!)
 今回の「ジョージア魂」賞は、8月6日から19日にかけて行われた公式戦から山田久志氏(元阪急)、高木豊氏(元大洋)、伊東勤氏(元西武)、桑田真澄氏(元巨人)、柳本元晴氏(週刊ベースボール編集長)、二宮清純(当HP編集長)の6名の選考委員によってノミネート6プレーが選出され、「ジョージア ベースボールパーク」のサイト上のファン投票によって決定しました。山本昌投手のプレーには、総投票数54842票中、最多の12297票が集まりました。

 また「ジョージア ベースボールパーク」のサイトでは、二宮清純の書き下ろしコラム「野球探偵007」のコーナーが更新されました。受賞プレーはもちろん、ノミネート6プレーの中から二宮がイチオシしたものに関して、それぞれコラムを掲載します。当サイトでは、その中から二宮が推薦した埼玉西武・西口文也投手(8月15日、オリックス戦での4カ月ぶり復活勝利)のコラムを特別に掲載します。

 埼玉西武・西口文也「ベテランの逆襲」

 全盛期を彷彿とさせる投球だった。
 8月15日、オリックス戦。埼玉西武の西口文也は6回2安打無失点の好投で今季2勝目をあげた。
(写真:昨季まで通算163勝をあげた実力が蘇った)

 中でも代名詞といえるスライダーのキレが抜群だった。アレックス・カブレラ、T−岡田ら強打者揃いのオリックス打線は鋭く曲がる伝家の宝刀に手も足も出ない。実に7つの奪三振のうち6個がスライダーによるものだった。

 2005年に自己最多の17勝をあげて西武のエースに君臨していた男も、以後は9勝、9勝、8勝、4勝、防御率も右肩下がり。その間、チーム内では涌井秀章、岸孝之ら若手が台頭し、忘れられた存在となっていた。今季も前半戦は結果を残せず、2度の2軍落ちを経験。引退の2文字がちらつきかけていた。

「下で競争を勝ち抜かないと、先発はないよ」
 渡辺久信監督は、あえてベテラン右腕を突き放した。それが37歳の意地に火をつけたのだろう。西口は初めて筋力トレーニングを取り入れ、ストレートの球速が回復。これにより、かつてのようなスライダーとのコンビネーションで打者を打ち取れるようになった。

 もともと、波に乗れば手のつけられない快投をみせる。完全試合、ノーヒットノーランの経験はないものの、あと一歩で逃したことなら3度もある。
「やっぱりアイツはすごいですよ。気持ちが入っていれば、毎試合(ノーヒットノーラン)できるくらいのボールは投げている」
 西武で投手コーチをしていた荒木大輔(現東京ヤクルトコーチ)はそう話していた。

 西口はその後、2度の先発も5回3分の2を1失点(8月26日、対千葉ロッテ)、6回無失点(9月2日、オリックス戦)と、きっちり役割を果たしている。
「ファームから2度這い上がってきて、なりふり構わず腕を振っている。その姿をみて(打線も)なんとかしなくてはという気持ちになる」
 渡辺監督も、その頑張りを称えていた。

 なんといってもリーグ優勝を5回も経験している男だ。混戦が続くパ・リーグの優勝争いにおいて、その存在は貴重である。崖から這い上がったベテランの逆襲が、ペナントレースの大きなポイントになるかもしれない。

<西口文也(にしぐち・ふみや)プロフィール>
1985年9月26日、和歌山県出身。和歌山商高を、立正大を経て95年にドラフト3位で西武に入団。97年に最多勝、最多奪三振などのタイトルを総なめして優勝に貢献。MVPに輝く。以後、チームのエースとして7年連続で2ケタ勝利をマーク。05年8月の東北楽天戦では9回まで完全試合(延長戦で走者を許したため参考記録扱い)を達成している。

「ジョージア ベースボールパーク」のサイトでは、受賞した山本昌投手についても二宮清純の書き下ろしコラムを掲載中!
 第11回「ジョージア魂」賞ファン投票も合わせて実施中です。広島・天谷宗一郎外野手、千葉ロッテ・西岡剛内野手、北海道日本ハム・稲葉篤紀外野手、中日・英智外野手、福岡ソフトバンク・森福允彦投手、阪神・秋山拓巳投手の6プレーがノミネートされています。ぜひ投票に参加してみてください。

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