16日、「FIVB(国際バレーボール連盟)バレーボールワールドカップ(W杯)2007」最終戦が名古屋・日本ガイシホールなどで行なわれた。前日、チームの活性化に一役買ったベテランの多治見麻子を第1セットから先発に起用した日本。強豪・ブラジルを相手に果敢に攻めたが、3−1で敗れ、最終戦を白星で飾ることはできなかった。
(写真:厳しいマークに苦しんだ高橋)

ブラジル 3−1 日本
(25−16、23−25、25−17、25−18)
 もう失うものはないとばかりに、日本は第1セットから攻めの姿勢を見せた。前日の米国戦では22本中2本しかスパイクが決まらなかった木村沙織が復活。エースの栗原恵とともに敵陣のコートに次々とスパイクを決めていった。しかし、序盤は一本もポイントできなかったジャケリネ・カルバリョのスパイクが決まり始めると、ブラジルが息を吹き返した。一気に6ポイントを連取し、21−15とすると、エリア・ソウザのサービスミスで日本に1ポイントを献上するも、再び4連続ポイントを奪い、あっという間に第1セットを奪った。

 第2セットは序盤、激しい攻防戦となった。これを打破したのが高橋みゆきだった。得意のワンタッチ狙いのストレートや相手ブロッカーをよけた技ありのクロスを決め、日本に流れを引き寄せた。終盤、ブラジルも粘るが日本は凌いで2ポイント差で逃げ切り、セットカウントを1−1とした。

 しかし、第3セットを奪われるた日本は、第4セットもブラジルに主導権を握られる。次々と連続ポイントを奪われ、徐々に引き離されていった。それでも、ベテランの多治見が連続でブロード攻撃を決めるなど、一時は4ポイント差まで迫る。だが、最後は高橋のスパイクが連続でブロックされ、日本は最終戦を白星で飾ることはできなかった。

 11戦全勝のイタリアが金メダルに輝き、9勝2敗で並んだブラジルと米国は得失点差でブラジルが銀メダル、米国が銅メダルを獲得。この3カ国はいち早く北京五輪の切符を掴み取った。

 通算成績を6勝5敗で7位に終わった日本は、五輪出場権をかけて来年5月に開催される最終予選に挑むことになる。サーブレシーブの確実性、サーブの充実性、攻撃の組み立てなど、今回明らかとなった課題をどこまでクリアできるか。最終予選に向けて、日本は一からの立て直しをはかる。