15日、「FIVB(国際バレーボール連盟)バレーボールワールドカップ(W杯)2007」最終ラウンド第2戦が名古屋・日本ガイシホールなどで行なわれた。前日、セルビアに今大会初の黒星を喫した米国と対戦した日本は、元中国代表監督の名将・郎平監督の下、パワーだけでなく、拾ってつなぐバレーを習得した米国の前に完敗。今大会での北京五輪出場の夢が消えた。
(写真:ストレート負けを喫し、4位以下が確定した)

米国 3−0 日本
(25−17、25−14、25−20)
 前日、キューバに逆転負けで3敗目を喫し、6位に転落。背水の陣で米国との戦いに挑んだ日本は、第1セットの序盤、集中したいい動きを見せた。前日、キューバのブロックにかかり、なかなかスパイクが決まらなかった栗原。しかし、この米国戦では完全に気持ちを切り替えていた。ワンタッチでストレートが決まり、最初のポイントを奪うと、レフトからのクロスを思いっきり打ち抜いた栗原の表情には迷いはなかった。

 だが、中盤に木村沙織のスパイクミスが続き、米国に4ポイント連取され逆転を許した。その後も、日本はサーブレシーブやトスなどでミスが続いた。佐野優子が果敢にレシーブで拾い、いいつなぎを見せるもポイントにつながらず、米国の攻撃を切ることができない。最後は栗原のジャンプサーブがネットにかかり、このセットを落とした。

 第2セット、日本はいきなり3ポイントを連取された。なんとか流れを変えようと、柳本晶一監督は杉山祥子に代えて多治見麻子を投入した。その多治見がBクイックを決め、日本は活気づく。
 だが、日本はまだ本来の調子を取り戻せずにいた。自らのミスで米国にチャンスを与え、引き離されていく。栗原もエースの意地を見せ、スパイクを決めるが、米国の勢いは止まらず。このセットも25−14と大差で落とした。

 もう後がない日本は第3セット、高橋のワンタッチ狙いのスパイクが決まるなど、序盤にリードを奪った。しかし、米国は200メートルの長身を誇るタイーバ・ハニーフや3年ぶりにビーチバレーから復帰したローガン・トムの強烈なスパイクが次々と決まり、逆転に成功。さらに、栗原のスパイクを2連続でブロックで止めるなど5連続ポイントで13−8と一気に大量リードを奪った。

 日本も荒木絵里香がヘザー・バウンの速攻をきれいにブロックするなど、いいプレーも出るが、米国にそれを一本で切られてしまい、流れを引き戻すことができない。24−20と米国のマッチポイントを迎えた。ここで竹下佳江が素晴らしいレシーブを見せ、マッチポイントを一本凌いだ。ところが、思いも寄らずタッチネットをとられ、最後はあっけない幕切れとなった。

 これで日本は通算成績を6勝4敗とし、4位以下が確定した。今大会での北京五輪出場を決めることはできなかったが、来年開催される最終予選に勢いをつけるためにも、明日のブラジル戦では日本のバレーを見せてほしい。