22日、プロ野球セ・リーグのクライマックスシリーズファイナルステージ第３戦が行なわれた。第１戦、第２戦と完封負けを喫し、崖っぷちに立たされた巨人が少ないチャンスを確実にモノにし、一度は同点に追いつかれるも、キャプテン阿部慎之助の一発で試合を制した。
◇ファイナルステージ（第３戦）
阿部、決勝ソロ（巨人１勝３敗、ナゴヤドーム）
巨人 ３ ＝ ００００１１００１
中日 ２ ＝ ０００００００２０
勝利投手 越智（１勝０敗）
敗戦投手 岩瀬（０勝１敗）
セーブ 山口（１Ｓ）
本塁打 （巨）阿部１号ソロ
（中）野本１号２ラン
中日・山井大介、巨人・朝井秀樹の先発で始まった第３戦、序盤はともにチャンスらしいチャンスをつくれず、ゼロ行進が続いた。均衡が破れたのは４回表。連敗を喫し、もう後がない巨人が１死から矢野謙次、古城茂幸が山井に連打を浴びせ、先制のチャンスをつくった。朝井が空振り三振に倒れるも、３回表にチーム初安打を放っている脇谷亮太がこの打席でも三塁線を破るヒットを放ち、２塁ランナーの矢野が一気にホームへ。第１戦から無得点が続いていた巨人に待望の先取点が入った。
さらに６回表、再び巨人が得点のチャンスをつかんだ。１死からラミレスがヒットで出塁すると、阿部慎之助はショートフライに倒れるも、続く高橋由伸が山井の落ちきらないフォークをレフト前へ。すると、ラミレスが一気にホームへ突っ込んだ。中継に入った荒木雅博が好返球し、それを受けた谷繁元信が滑り込むラミレスの足をブロックしながらタッチするも、球審の判定はセーフ。巨人に貴重な２点目が入った。
一方、先発の朝井は初回で降板したファーストステージ第２戦の屈辱を晴らすかのように、この試合では安定したピッチングを見せた。１、２回は四球でランナーを出すも要所を締めて無失点に封じると、３回以降は三者凡退に切ってとり、６回まで１安打の快投を演じた。
７回裏、巨人はその朝井から２番手・久保裕也にスイッチした。その久保から中日は森野将彦、和田一浩と連打を奪い、無死一、二塁と絶好のチャンスをつくる。ところが、ブランコがショートゴロに倒れ、併殺をとられると、続く藤井淳志もショートゴロに。結局、中日は得点を奪うことができなかった。
しかし８回裏、この回からマウンドに上がった越智大祐から内野安打の代打・大島洋平を一塁に置いて、代打・野本圭が起死回生の２ランを放ち、中日が土壇場で試合を振り出しに戻した。そしてこの試合、同点でも日本シリーズ進出が決定する中日は、９回表に岩瀬仁紀をマウンドに上げた。ところが、その岩瀬から阿部が一発を放ち、巨人が再び勝ち越した。
なんとか同点に追いつきたい中日はその裏、１死から和田がヒットを放ち、粘りを見せる。しかし、後続が続かず。ブランコは三振、藤井はセカンドゴロに倒れてゲームセット。巨人が１点差を逃げ切って、ファイナルステージ初勝利を挙げた。