23日、プロ野球セ・リーグのクライマックスシリーズファイナルステージ第4戦が行なわれた。崖っぷちの巨人に粘られ、9回表にはついに同点に追いつかれた中日だったが、最後は和田がサヨナラタイムリー。4番の一振りで3年ぶりとなる日本シリーズへの切符をつかみとった。

◇ファイナルステージ(第4戦)
 和田、サヨナラタイムリー(中日4勝1敗、ナゴヤドーム)
巨人   3 = 000000012
中日   4 = 000200011×
勝利投手 浅尾(1勝0敗1S)
敗戦投手 久保(0勝1敗)
 初回は両軍ともに先発投手の立ち上がりを攻めた。まずは巨人が2死から小笠原道大、ラミレスと中日先発の山本昌に連打を浴びせ、二、三塁と先制のチャンスをつかむ。打席には前日、決勝弾を放った阿部慎之助。しかし、阿部は空振り三振に倒れ、ランナーを返すことができなかった。

 その裏、中日は先頭の荒木雅博が三塁打を放ち、絶好のチャンスをつかんだ。しかし、後続が続かず。大島洋平、森野将彦と倒れ、最後は和田一浩が空振り三振に倒れた。序盤はそのままゼロ行進が続く。

 均衡が破れたのは4回裏。中日が1死からブランコが四球で出塁する。野本圭はライトフライに倒れるも、CS初先発の井端弘和がヒットで続き、2死一、二塁とした。ここで打席にはCS初の先発マスクを被った小田幸平。小田は真ん中内角寄りのストレートをうまく左中間へ弾き返した。ブランコ、井端が一気にホームへ返り、中日が2点をリードする。

 2回からは三人で終わらせ、好投を見せてきた山本昌だったが、女房役の小田に大きな援護をもらった直後の5回表、巨人打線につかまる。高橋由伸、矢野謙次に連打を浴びると、続く谷佳知に送りバントを決められ、1死二、三塁とピンチを迎えた。ここで巨人は代打に右打者・長野久義を送る。すると、中日は山本を諦め、2番手に右の河原純一をマウンドに送った。と同時に、キャッチャーも小田から谷繁元信にスイッチした。

 互いに勝負をかけたこの場面、軍配が上がったのは中日だった。フルカウントからの6球目、河原のストレートがアウトコースぎりぎりに決まり、長野は見逃し三振に終わった。続く坂本勇人もセカンドゴロに倒れ、巨人はまたもチャンスを活かすことができなかった。さらに巨人は7回表にも2死ながら一、三塁とするも、代打・亀井義行がショートゴロに倒れた。

 しかし8回表、巨人は坂本、脇谷亮太の連打で無死一、三塁とすると、続く小笠原のあわやホームランかという大飛球の犠牲フライで1点を返した。なおも1死三塁とするも、4番手・浅尾拓也の前にラミレス、阿部と凡打に倒れ、同点に追いつくことはできなかった。

 なんとか1点差で最後の攻撃を迎えたい巨人はその裏、山口鉄也をマウンドに上げた。ところが、この試合の山口は制球が定まらずに苦しいピッチングとなった。1死から和田を四球で出すと、ブランコを三振に切ってとるも、英智に三遊間を抜かれる。続く井端にも四球を出し、満塁とする。そして山口は、谷繁に押し出し四球を与え、中日に貴重な追加点が入った。

 しかし、後がない巨人が9回表、執念を見せた。先頭の高橋がヒットで出塁すると、矢野があわやホームランかというライトフェンス直撃の二塁打を放つ。高橋が一気にホームへ返り、再び1点差とした。続く谷が送りバントを決め、1死三塁とする。ここで巨人は代打に松本哲也を送り、三塁ランナー矢野に代えて、俊足の鈴木尚広を代走に送った。松本は2ストライクに追い込まれながらも、3球目のフォークをうまくセカンドへ転がす。自身はアウトとなるも、鈴木が返り、巨人が土壇場で同点に追いついた。

 その裏、巨人は久保裕也をマウンドに送った。久保は先頭の荒木こそ内野ゴロに打ち取るも、代打・中田亮二、森野を連続四球で出し、ピンチを招いた。そして打席には和田。この試合無安打に終わっていた和田だったが、久保の初球、真ん中内角寄りのストレートへレフトへ運んだ。これを左翼手ラミレスが懸命にジャンプして捕球しようとするも、打球はラミレスのグラブの上を通り抜けた。これを見た二塁ランナー中田が一気にホームへ。中日がサヨナラ勝ちで日本シリーズ進出を決めた。30日からは千葉ロッテと日本一の座をかけて対戦する。