今年の独立リーグ王者を決定する「日本独立リーグ・グランドチャンピオンシップ2010」が23日、香川・アークバリアBP志度で開幕した。四国・九州アイランドリーグチャンピオンの香川オリーブガイナーズは2回、ルーキー甲斐弘樹のタイムリーで先制。3回にも1点を追加する。投げては先発の元オリックス・前川勝彦がBCリーグチャンピオンの石川ミリオンスターズ打線を8回までゼロに封じる好投。香川は中盤以降、4本塁打で相手を突き放し、8−3で初戦を制した。
 甲斐、先制打含む猛打賞(香川1勝、志度、1,291人)
石川ミリオンスターズ   3 = 000000003 
香川オリーブガイナーズ 8 = 01100213×
勝利投手 前川(1勝0敗)
敗戦投手 山崎(0勝1敗)
本塁打  (香)中村1号ソロ、2号ソロ、洋輔1号ソロ、三國1号2ラン

 香川がアイランドリーグを前後期とも制した強さをみせ、先勝した。
 先発は香川がリーグチャンピオンシップで2戦2勝をあげ、好調の前川。石川は今季、防御率リーグ3位と安定感をみせた山崎猛志を起用した。

 先手をとったのは香川だった。2死走者なしから7番・西森将司がヒットで出塁すると、すかさず二盗を決める。ここで8番・甲斐がレフトへタイムリー。下位打線で香川が先制する。

 さらに3回、香川は先頭の大原淳也がヒットを放つと、2番の笠井要一が初球でバントを決め、得点圏に走者を進める。その後、2死1、2塁と局面が変わり、打席には5番・国本和俊。今季のリーグ首位打者はファーストストライクを積極的に打ち返し、センター前へ運ぶ。2−0とリードを広げ、ゲームの主導権を握った。

 反撃したい石川は3回、4回と連打でチャンスを迎えるものの、あと1本が出ない。ストライク先行でテンポよく投げ込む前川に対して前半はゼロ行進が続いた。

 しかし、6回、1番・戸田衛が四球を選び、初めて先頭打者として塁に出る。ここで石川ベンチはヒットエンドランを敢行。2番・楠本大樹が期待に応え、1、2塁間を破る。スタートを切っていた戸田は俊足を飛ばすと、外野からの中継のスキをつき、一気に3塁も回って本塁へ。セーフとなれば流れを変えるビッグプレーだったが、ここは捕手の上ノ下健がブロックしてタッチアウト。続く元ソフトバンク・本間満が併殺打に倒れ、石川はこの回も得点をあげられなかった。

 結果的にはこの攻防が試合の行方を決定付けた。その裏、香川は先頭の中村真崇がセンターへ貴重なソロホームラン。さらには2死1、2塁で上ノ下がレフトへタイムリーを打ち、4−0とリードが広がった。

 勢いがついた香川は続く7回も中村が2打席連続のソロ。8回には洋輔と代打の三國慶太にも一発が飛び出し、完全に勝負を決めた。前川は7、8回は石川打線を三者凡退にきってとり、8回5安打無失点で降板。これでポストシーズンは3試合に登板して3連勝となった。

 石川にとって第2戦以降へ光が見えたのは最終回の攻撃だ。相手の守備のミスもあったが、3安打を重ねて3点を返した。クローザーの橋本亮馬、ナックルボーラーのキム・ギョンテと勝ちパターンで出てくるピッチャーから奪った得点だけに、接戦に持ち込めば戦える手ごたえをつかんだはずだ。第2戦は引き続きアークバリアBP志度で24日13時から行われる。

<アイランドリーグ選抜、巨人に連勝 〜フェニックス・リーグ〜>

 みやざきフェニックス・リーグに参戦している四国・九州アイランドリーグ選抜チームは23日、巨人と対戦した。雨天のため3日間、試合がなかったリーグ選抜は立ち上がり1点を先制される。しかし、直後の2回、宮元智博(高知)が巨人先発の金刃憲人から3ランを放ち逆転に成功。先発の大川学史(徳島)も2回以降は立ち直り、5回を1失点で切り抜ける。すると6回、リーグ先発は宮元のタイムリーなどで2点を追加。2番手以降の投手も巨人の反撃を1点に抑え、5−2で勝利した。連勝で対戦成績を5勝7敗としたリーグ選抜は24日はサンマリンスタジアム宮崎で東北楽天と対戦する。

 宮元(高知)、4打点の活躍(西都原運動公園)
アイランドリーグ選抜 5 = 030002000
巨人           2 = 100001000
[ア] 大川(徳)−弦本(徳)−山隈(高)−入野(愛)−吉川(高)
[巨] 金刃−神田−中里−星野
本塁打  (ア)宮元(高)3ラン
       (巨)隠善ソロ