2日、日本シリーズ第3戦が行われ、本拠地に戻ってきた千葉ロッテが中日を7−1で破り、対戦成績で2勝1敗とひとつリードした。ロッテは1−1の同点で迎えた4回、ルーキー清田育宏のタイムリー3塁打などで4点を勝ち越し。投げては先発の渡辺俊介が散発の5安打1失点で完投勝利を収めた。

◇第3戦
 井口、3試合連続のマルチヒット(ロッテ2勝1敗、千葉マリン)
中日       1 = 001000000
千葉ロッテ   7 = 00140020× 
勝利投手 渡辺俊(1勝0敗)
敗戦投手 山井(0勝1敗)
 レギュラーシーズン最終戦以来、約1カ月ぶりのホームゲームでロッテの選手たちが躍動した。
 先発はロッテがサブマリンの渡辺俊介、中日が山井大介だった。渡辺にとってシリーズの登板は2005年の第2戦(対阪神)で完封勝利をあげて以来。山井は07年のシリーズ第5戦(対北海道日本ハム)で8回パーフェクトながら最終回に降板したのが記憶に新しい。いずれもシリーズで快投を演じた両先発のピッチングが試合のポイントだった。

 先制したのは中日だ。3回、先頭の谷繁元信がヒットで出塁し、1死後、ルーキーの大島洋平もライト前へ運び、1死1、3塁のチャンスを迎える。ここで荒木雅博の当たりはレフト前へのライナー性の打球。守っていた清田は前進して、これをスライディングキャッチしたものの、返球が乱れて犠飛となった。

 だが、その裏、ロッテもすかさず反撃を開始する。同じように先頭の西岡剛がヒットで出塁。2死2塁となって4番・サブローが低めのシュートをセンター前へ弾き返し、西岡をホームに迎え入れた。試合は1−1の振り出しに戻る。

 さらにロッテは4回、先頭の福浦和也が2塁打で勝ち越しのチャンスをつくる。すると山井が制球を乱し、金泰均に四球。その後、犠打と内野ゴロで2死は奪ったものの、ボールが散らばり、思うようにコントロールできない。続く1番・西岡を歩かせ、2死ながらすべての塁が埋まった。

 ここで打席に入ったのがルーキーの清田だ。2ボールからストライクを取りにきた甘いストレートを叩くと打球はセンターの頭上を越えた。すべての走者を還すタイムリー3塁打。このシリーズでも第1戦に本塁打を放つなどポストシーズンに入って目覚しい活躍をみせている新星がまたも輝いた。ロッテはさらに井口資仁も2塁打で続き、この回、一気に4点を勝ち越す。

 大きな援護点をもらった渡辺は、マリン特有の風にボールを乗せ、スイスイと投げていく。勝ち越した後の5回から7回までは3位ニング連続の三者凡退。焦って打ってくる中日打線に対して、緩急を使って凡打の山を築いた。結局、97球の省エネ投球で最後まで投げきった。

 ロッテは7回には連続犠飛でダメを押すなど、攻撃もソツがなかった。特に3番・井口が3試合連続のマルチヒット、5番・今江が3試合連続打点と当たっている。対する中日は好調だった4番・和田一浩がノーヒット。中軸に快音が聞かれないと著しく得点力が低下する。第4戦、ロッテはひじの故障で戦列を離れていた唐川侑己の先発が予想される。中日は45歳・山本昌の可能性が高い。打線の奮起とベテランの奮投で流れを変えたいところだ。