3日、女子バレーボール世界選手権1次ラウンド最終戦が行われ、日本はセルビアと対戦した。ここまで4戦全勝同士の対戦となったこの試合は第1セットから大接戦となるも、最後まで集中力を切らさなかった日本が開幕5連勝を飾った。

日本 3−1 セルビア
(28−26、29−27、18−25、27−25)
 開幕と同じスターティングメンバーで試合に臨んだ日本は、高さで上回るセルビアにワンタッチ狙いのスパイクや絶妙なコンビネーションで着実にポイントを積み重ねていった。しかし、セルビアもキャプテンでエースのWSエレーナ・ニコリッチやWSブリジトカ・モルナルがレフトから強烈なスパイクを決め、追い上げを図る。そしてついに終盤、セルビアが22−23と逆転。そのままセルビアはサーブでセットポイントを迎えたが、ミスが続き、24−24と並んだ。ここから互いにミスが続き、なかなか連続ポイントを奪えない。しかし、相手のスパイクミスで27−26と1点リードした日本は、ニコリッチの強烈なスパイクを拾うと、最後はエースのWS木村沙織が決め、日本が競り勝った。

 第2セットは前半、セルビアがサーブで攻め立て、試合の主導権を握った。日本も木村を中心に追い上げを図る。そして終盤、またもセルビアにミスが続き、日本は21−21とついに振り出しに戻した。第1セットに続いてデュースとなったこのセット、最後決めたのはMB井上香織のサーブだった。「セルビアは身長が高いので伸びるボールには強い。だからこの試合は力を抜いて打つことを心がけた」という井上。WS江畑幸子のスパイクが決まり、27−27とすると、立て続けにサーブを決め、日本はセットカウント2−0とした。

 第3セットはセルビアの高い壁に日本のサイド攻撃が封じられた。なんとか流れを変えようと、勢いのあるWS迫田さおりやWS栗原恵を投入するも、逆転にまではいたらなかった。第4セットは逆にその高いブロックを利用したワンタッチ狙いが功を奏し、日本が試合の主導権を握った。そして守備では、井上が得意のブロックでセルビアの攻撃を封じた。一方のセルビアはサービスミスが続き、波に乗り切れない。しかし中盤、日本も攻守にわたってミスが相次ぎ、セルビアに5連続ポイントを奪われ、16−16と並ばれた。このピンチを救ったのがエース木村だった。木村は2本続けてスパイクを決めると、サーブでもポイントを奪い、日本が再びリードした。しかし終盤、再びセルビアが盛り返し、3度目のデュースとなった。まずは木村が2段トスからのスパイクを見事に決め、26−25とマッチポイントを迎えると、最後はセルビアエースのニコリッチのスパイクがラインを割り、ゲームセット。日本が3−1でセルビアを下した

「3位以内を目指すには第1ラウンドを全勝で行かないと厳しくなると思っていた。これから強豪と対戦するうえでも、この1勝は大きい」と真鍋政義監督。強豪相手に久々に出だしの第1セットを奪ったこともチームの成長をうかがわせた。しかし、戦いはまだ続く。エース木村も「次からが本当の勝負。今日よりも苦しい試合になると思うが、チーム一丸となって戦っていきたい」と語り、表情を引き締めた。6日から始まる第2ラウンドでは前回覇者のロシアや北京五輪銅メダルの中国などと対戦する。