10日、女子バレーボール世界選手権2次ラウンド最終戦が行われ、日本は前回覇者のロシアと対戦した。身長202センチが2人と脅威の高さを誇るロシアに対し、日本は2セットを落とした後の第3セットを奪い返した。しかし、最後はサーブレシーブが乱れ、逆転ならず。これで第2ラウンドを2位通過となった日本は、準決勝で世界ランキング1位のブラジルと対戦することが決定した。
(写真:世界一の高さに翻弄された日本)

日本 1−3 ロシア
(21−25、14−25、25−23、13−25)
 前日、永遠のライバルである韓国をストレートで破り、28年ぶりに4強入りを果たした日本。32年ぶりのメダルを獲得するためにも、世界一の高さを誇るロシアとどう戦うのかが注目された。

 第1セットの序盤、日本は必死で喰らいつくも、相手にサービスエースを奪われるなど、攻守ともにバタバタ感が否めなかった。しかし、試合が進むにつれて本来の粘りのあるバレーを展開。相手エースのエカテリーナ・ガモアのスパイクを拾い、逆に自分たちの攻撃へとつなげた。また、エースのWS木村沙織が序盤こそロシアの高い壁に阻まれ、フェイントが多かったものの、徐々にロシアのブロックをうまくかわした技ありのスパイクで得点を重ねた。だが、前日まで絶好調だったWS江畑幸子がブロックでシャットアウトされ、ロシアのセットポイントとなると、最後は相手のサーブが決まり、日本は大事な第1セットを落とした。

 第2セット、日本は本調子でない江畑に代えてWS迫田さおりを入れた。迫田はロシアの壁を恐れることなく、思いっきりのいいスパイクを放った。しかし、チームはロシアの高さに圧倒され、徐々に引き離されていった。結局、このセットは大差をつけられて落とし、日本は後がなくなった。

 第3セット、この試合初めて日本が主導権を握った。迫田のバックアタックを皮切りに3連続ポイントでスタートすると、木村のサーブにロシアの守備が乱れ、9−3とリードした。さらにロシアのスパイクを粘り強く拾い、最後はMB井上香織が押し込み、その差を7点と広げた。すると、ロシアがたまらず初めてタイムアウトをかけた。しかし、日本の勢いは止まらない。その後もロシアの高いスパイクをブロックに当て、なんとか拾うと自分たちの攻撃へと転じた。さらにS竹下佳江がブロックを決めると、会場は歓喜の声に包まれた。

 中盤以降はロシアがガモアを中心に猛追し、22−21と日本のリードはわずか1点となる。ここからエース木村が本領を発揮。2連続でレフトからのスパイクを決め、セットポイントを迎えると、ロシアに再び1点差に迫られるも、最後はライトから速いスパイクを決めた。第2ラウンドでは全てストレート勝ちを収めているロシアから、土壇場で1セットを返した。

(写真:身長202センチのガモアからは鋭角なスパイクが繰り出された)
 だが、第4セットは再びロシアが前女王の貫禄を見せた。圧巻だったのはガモアのサーブ。無回転サーブで徹底的に木村を襲い、次々とロシアに得点が重ねられていった。すると、真鍋政義監督は初めて木村をベンチに下げ、レシーブのいいL井野亜季子に代えた。その後、再びコートに戻ってきた木村は汚名返上とばかりにスパイクを決め、終盤には自らのサーブでロシアの守備を崩し、連続ポイントを奪った。しかし、結局はロシアがそのまま逃げ切り、日本は2敗目を喫した。

 これでグループEの2位となった日本は、13日の準決勝でグループFの1位ブラジルと対戦することが決定した。ブラジルは現在、世界ランキング1位の強豪だ。しかし、8月のワールドグランプリで日本はフルセットの末に勝っている。
「ブラジルはブロックもスパイクもすごい。しかし、日本も夏には勝っている。どうすれば日本のリズムになるかはわかっている。勝つには1セット目、そして各セットの出だしが重要」と真鍋監督はブラジル戦のポイントを語った。果たして日本は再び世界女王に土をつけることができるのか。“火の鳥NIPPON”の真の力が試される。

(写真:斎藤寿子)