2010年競輪界の総決算、「KEIRINグランプリ2010」が30日、立川競輪場で行われ、村上博幸(京都)が4分20秒3(上がり11秒6)で初優勝を果たし、賞金1億円を獲得した。村上博はグランプリ初出場での制覇。年間賞金王にも輝いた。近畿勢がグランプリを制したのも26回の歴史で初めて。2着は微差で山崎芳仁(福島)、3着には昨年に引き続き伏見俊昭(福島)が入った。
 今年の締めくくりにふさわしい好レースだった。序盤は近畿勢の3車(村上義弘、村上博、市田佳寿浩)が先行し、関東ライン(平原康多、武田豊樹)が中団につけた。単騎の海老根恵太(千葉)は関東ラインと東北ライン(佐藤友和、山崎芳仁、伏見俊昭)の間に入った。最初に動いたのは東北ラインだ。赤板(残り2周)からスルスルと先頭に上がって残り1周半のジャンが鳴り、レースは一気に白熱する。

 先行する東北ラインにバックストレッチで勝負をしかけたのが村上義だ。必死にまくるが届かず、3コーナーに入ったところで、今度は番手から山崎が前に出る。そこへ後ろから追い込んだのが村上博だった。逃げる山崎、追う村上博。2人はほぼ同着でゴール線を駆け抜けた。写真判定にもつれ込んだ激戦は、村上博が外からわずかに差しきり、1億円を手中におさめた。

 31歳の村上博は01年のデビュー。村上義は兄にあたる。今年3月の日本選手権で史上2例目の兄弟GIワンツーフィニッシュを飾って優勝すると、5月のSSシリーズ風光るも制し、GIを連覇した。この日も兄のまくりに乗じての栄冠。際どい勝負ながらもゴール直後には手をあげて勝利を確信していた。兄弟の固い絆も感じさせるレースに、勝った弟は「言葉にならない。競輪選手になってよかった」とうれし涙を流していた。
 
 主な払戻金は以下の通り。

▽枠連  (3)−(5) 1,880円
▽車連  (3)−(7) 2,820円
▽車単  (7)−(3) 6,550円
▽3連複 (3)−(7)−(9) 3,410円
▽3連単 (7)−(3)−(9) 35,710円

※結果、払戻金などは必ず主催者発表のものとご確認、ご照合下さい。