当HP編集長の二宮清純がインタビュアーを務めるBS朝日の番組『勝負の瞬間（とき）』が１月30日（日）、21:00より放送されます。この番組では毎回、各競技から一流たちをお招きし、トップを極めた技術と、その思考法に迫ります。これまでのスポーツ番組とは一味違ったインタビュードキュメントです。今回は昨季、セ・リーグ史上最年少で投手３冠を獲得した広島の若きエース・前田健太投手をお招きします。
（写真：キャンプイン直前に沖縄で自主トレ中のマエケンを直撃！） 当サイトでは番組に先駆けて、前田投手とのインタビューの一部を紹介します。
二宮： 誰に聞いても「マエケン＝負けん気が強い」と言っています。それは子どもの頃から？
前田： そうですね。負けず嫌いはずっとです。負けても勝つまでは止めない。
二宮： それじゃ、最後は勝っちゃいますよね（笑）。お母さんも厳しかったそうですね。ケンカでも負けたら怒られたとか。
前田： 僕が「やりたい」って言って始めたことに関しては厳しかったですね。でも、勉強については何も言われたことがありません。「勉強しろ」とも言われたことないし、いい点取っても褒められたことがない。
二宮： お母さんはキムタクに憧れていて、前田さんをジャニーズに入れようとしていたらしいですね。
前田： はい。SMAP大好き、キムタクさん大好きで、僕、小学校の頃から茶髪で、髪の毛も長かったです。
二宮： 自分でも将来ジャニーズに行くと思っていた？
前田： そこまで考えていなかったですけど、「バック転の練習しとけ」とかよく言われました。まぁ、野球でよかったです（笑）。
二宮： 運動神経は何をやっても良かったと？
前田： 基本的に苦手なものはなかったですね。
二宮： 小さい頃は水泳とか体操とか、いろんな競技をしていましたよね。成功したスポーツ選手を見ていると、複数のスポーツをやっていた選手が多い。たとえば石川遼君だって中学時代は陸上をやったことで下半身が鍛えられたと言っています。前田さんも野球に役立っていると思う点はありますか？
前田： これっていうことは分からないですけど、水泳は肩甲骨にいい部分もあったと思います。水泳や体操や、いろんな種目をやることで、野球じゃ鍛えられないところも鍛えられたし、野球ではできない動きもできた。そういう意味で僕も小さい頃はいろんなスポーツをやった方がいいと思います。
二宮： 水泳では背筋も鍛えられますからね。そこが細くても、あれだけ伸びのあるストレートを投げられる要因になったのかもしれませんね。
前田： たぶん、その辺の筋肉はあると思いますね。実際にはベンチプレスとかは全然上げられなくて、力勝負は苦手なんです。腕相撲も弱いし、腕立て伏せも何回もできるわけじゃない。ただ、スポーツをやっている中で鍛えられた筋肉がついているんじゃないかなと感じています。
＞＞この続きは番組をお楽しみ下さい。 小さい頃から運動神経抜群だった前田少年は野球でも才能を発揮し、名門・PL学園高へ進学します。甲子園には２度出場し、エースで４番として活躍。桑田真澄２世と呼ばれ、高校生ドラフト１巡目で広島へ――。まさにエリート街道を走り続けていた前田投手にも、プロでは壁が立ちふさがりました。ローテーションを任された2009年はリーグ最多の29試合に先発しながら、成績は８勝（14敗）止まり。肝心のストレートを痛打されるケースが目立ちました。
それが昨季、大きな飛躍を遂げた最大の理由を本人は「ストレートの進化」と説明します。きっかけとなったのは４月８日の東京ヤクルト戦。３回裏に田中浩康選手に投じた１球で前田健太は覚醒したのです。本人も他のインタビューなどで繰り返し語っている“運命の一球”を、番組では改めて検証。VTRを見ながら、その伏線となったプレーも明らかになります。
まだプロ４年目、22歳の前田投手ですが、野球に関する考え方は驚くほど真っすぐ筋が通っています。「投げ込みは僕には必要ない」「ストレートは思ったとおりの感覚で10球中10球投げられる」「打席でわざと三振はしたくない」「ランナー２塁は僕の中ではピンチではない」……。インタビュー中に時折、発せられる鋭い一言にきっと引き込まれることでしょう。
他にも昨季のベストゲームにあげる北海道日本ハム・ダルビッシュ有との対決（５月15日）や、背番号18に対する思いも語ってくれました。独特のカーブを投げるコツやマエケン体操も実際にカメラの前で披露し、盛りだくさんの内容です。マエケンワールド全開の55分間。ファンならずとも必見の番組となりました。
（写真：人一倍、柔軟な手首や肩関節に撮影スタッフから驚きの声が上がった） この『勝負の瞬間』は月１回ペースでお届けしています。今後もバレーボールの名セッターなど、一流のアスリートたちが続々と登場予定です。どうぞお楽しみに！
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