缶コーヒーブランド「ジョージア」は、2010シーズンよりプロ野球12球団と提携、さらにNPBパートナー契約を締結し、“チームの勝利のために貢献した素晴らしいプレー”に贈られる「ジョージア魂」賞を創設しています。「ジョージア ベースボールパーク」のサイトでは、二宮清純の書き下ろしコラム「野球探偵007」のコーナーをオフシーズンも月2回更新してきました。過去の受賞プレーはもちろん、惜しくも受賞を逃したノミネートプレーの中から二宮があらためて取り上げたいものを題材にコラムを執筆しています。

(写真:今季こそ怪物覚醒の予感が漂う中田)
 当サイトでは今回、昨シーズンの第10回「ジョージア魂」賞にノミネートされた北海道日本ハム・中田翔内野手のコラムを特別に紹介します。

 北海道日本ハム・中田翔「全開間近の怪物」

 テレビカメラが斎藤佑樹を追いかけ回すなか、腰を据えて打撃強化に取り組んでいるのが4年目の中田翔である。
 2月16日に名護で行われた阪神との練習試合ではホームラン1本を含む4打数3安打2打点と大活躍した。今季はクリーンアップトリオの一角を担うのではないか。

「高校通算87発」との鳴り物入りで、2008年に北海道日本ハムに入団した。大阪桐蔭高の6年先輩に埼玉西武の主砲・中村剛也がいる。中村は08年、09年と2年連続でホームラン王に輝いている。

 2人の強打者を育てた大阪桐蔭高監督の西谷浩一はこう語っていた。
「飛距離だけみれば、高校時代は中田のほうが数段上。そのかわり、ボール球でも何でも手を出すので、“プロに入ったら苦労するだろうなぁ”と思っていました。実際、そのとおりになりましたね。
 逆に中村は巧打者というイメージ。打撃がやわらかく、高校時代は一発屋というよりもアベレージヒッターでした。ボール球には手を出さず、三振も少ない。一方でツボにはまれば一発もある。意外に器用なんですよ。しかし、本当の意味での一発屋となると、やはり中田に軍配が上がるでしょうね」

 昨季、怪物は本領の一部を発揮した。プロ1号から11戦で8発。8月6日には初の1試合2発でジョージア魂賞にノミネートされた。爆発力は日本人離れしている。ブレークのきっかけはフォーム改造だ。スタンスを広くし、バットをフラットの状態で振り抜く時間を長くとるようにした。これだと下半身の力が上半身に伝わりやすい。いわゆる下半身の“うねり”を生かした打ち方だ。

 これまで中田は内角に弱く、インハイを集中的に攻められることが多かった。今季は脇を締め、上体の力を抜いて腰の回転で打球を運ぶ打法へと改良を加えたことで、詰まりながらも内角球を右中間方向に運べるようになった。

 レギュラーに定着すればホームラン30本台も不可能ではあるまい。名前どおり、大きく翔けるのか。オリックスのT−岡田、高校の先輩・中村とのホームラン王争いに期待がかかる。


「ジョージア魂」賞は今シーズンも引き続き、チームのために尽くしたプレーをファンの投票で決定します。開幕に合わせてリニューアルされる「ジョージア ベースボールパーク」のサイトでは、二宮清純の書き下ろしコラムコーナー「あのプレーにアンコール!」を展開予定です。どうぞお楽しみに。

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