17日、日本プロ野球組織(NPB)はは今シーズンの開幕日を発表した。セ・リーグは予定通り25日に開幕するが、パ・リーグは東日本大震災の影響を考慮したうえで4月12日に延期する。1チーム年間144試合が行なわれ、クライマックス・シリーズも予定通り開催される。
 NPBでは15日に緊急理事会を開き、今シーズンの開幕について議論を交わした結果、セ・パで意見が真っ二つに分かれた。25日の強行開幕の姿勢を崩さなかったセ・リーグに対し、パ・リーグは東北楽天のKスタ宮城が震災の被害を受けていること、そして未だ拡大している被害状況を踏まえて延期の意向を示していた。

 セ・リーグの強行開幕に対して選手からは「本当に野球をやっていいのか」「納得できる理由がない」という意見が相次いだ。選手会も“選手の総意”として延期を強く要請。17日も2度目の開幕延期要請があったことから、セ・リーグで再検討したが、結果的には予定通りの開幕となった。

 11日に起きた地震・津波の影響で福島第一原発が稼働停止となり、電力の供給力が低下していることから、東京電力では14日から計画停電を実施している。そんな中で25日の開幕日には東京ドーム、神宮球場でナイターが行なわれる。東京ドームは26日もナイターを予定しており、開幕3連戦の最終日はデイゲームではあるものの、消費電力は決して小さくはない。

 15日には静岡・富士宮市を震源地とする震度6強の地震が発生。福島第一原発についても未だ余談を許さない状況だ。犠牲者の数も日を追うごとに増加しており、復興への道はまだ見えていない。このような状況下でのセ・リーグの強行開幕は、プロ野球ファンのみならず、国民の目にどう映るのか。そして、選手はプロとしてのパフォーマンスを見せることはできるのか。プロ野球離れを誘因する事態に陥らないことを願いたい。