即戦力ルーキーの伊志嶺、榎田に注目!

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 18勝4敗2分、勝率8割1分8厘と福岡ソフトバンクの圧勝で7年目の交流戦が幕を閉じたプロ野球は、24日から再びセ・パにわかれてのペナントレースが始まる。今季は例年以上にルーキーの活躍ぶりが目立っている。昨秋のドラフトで注目されたのは“早大トリオ”の斎藤佑樹(北海道日本ハム)、大石達也(埼玉西武)、福井優也(広島)、そして大学球界最速を誇った沢村拓一(巨人)だ。そのうち福井、沢村は既に先発ローテーション入りを果たし、チームに貢献している。二軍で調整していた斎藤の一軍復帰も間近だ。しかし、注目すべき“ドラ1ルーキー”は彼らだけではない。パ・リーグでは伊志嶺翔大(千葉ロッテ)、セ・リーグでは榎田大樹(阪神)が実力を発揮している。現在、ロッテは5位、阪神は4位。伊志嶺、榎田がチーム浮上のカギを握りそうだ。
 交流戦終盤、持ち前の勝負強さで存在感をアピールしたのが伊志嶺だ。まずは12日の広島戦。故郷・宮古島から両親が応援に駆け付けていたこの日、同点の7回、1死一、三塁で打席を迎えた伊志嶺は、同級生ルーキー福井の138キロの直球を左中間スタンドへ運んだ。両親が見ている前で放った一発は記念すべきプロ第1号。そしてこの試合の決勝打となった。さらに15日の巨人戦では1点ビハインドの9回、2死二塁の場面で試合を決める逆転2ランを放った。チームは今季初の4連勝。低迷していたチームに勢いをもたらした。

「大学No.1野手」として東海大からドラフト1位で千葉ロッテに入団した伊志嶺は、開幕一軍入りを果たし、現在は「2番・ライト」に定着しつつある。彼がプロへの憧れを抱くきっかけとなったのが、小学1年の時に宮古島キャンプで見たイチロー(当時オリックス)。パンチのきいた打球が打てるのは、そのイチローが努力で身に着けたという体の柔らかさが、伊志嶺にはもともと備わっているからだ。

 打撃力が注目される伊志嶺だが、彼の最大の武器は足である。現在、41試合に出場し、盗塁は9。23試合で14個の盗塁を決めているチームメイトの2年目荻野貴司と比べても、少し物足りなさを感じる。
「自分の持ち味は足なので、スピード感のある野球を求められている」
 以前、伊志嶺はそう語っていた。既に打撃センスはプロで通用することは証明された。今後は足で魅せてほしい。

 今季、“トリプルK”と称され、期待の高かったのが阪神のリリーフ陣だ。実績のある久保田智之、藤川球児の間をロッテからFA移籍した小林宏がつなぐ――。新しい“勝利の方程式”として注目された。ところが、フタを開けてみると、久保田、小林が精彩を欠き、“勝利の方程式”はシーズン序盤に早くも崩れた。そこで救世主となったのがルーキー左腕の榎田だ。23日現在、チーム最多となる21試合に登板し、2勝2敗。防御率1.71は守護神・藤川の0.53に次ぐ。

 抜群の制球力とキレのあるスライダー、そして何よりもピンチにも決して動じないマウンド度胸が彼の武器だ。そのメンタルの強さが最も発揮されたのは8日のロッテ戦。5回まで2安打無失点と好投していた先発メッセンジャーが6回、ロッテ打線につかまり、2失点。なおも無死満塁の場面で榎田がマウンドへ。犠飛こそ許したものの、きっちりと三人で終わらせた。

 こうしたルーキーの活躍に触発されたように小林も交流戦後半から復調の兆しを見せ始め、“EKK”の新方程式が確立されつつある。今後は7月中旬の9連戦をはじめ、例年以上の厳しい日程が課される。そんな中、久保康友の故障離脱に続き、不調の下柳剛、安藤優也が二軍落ちと、先発陣は手薄となっている。それだけに、リリーフ陣への負担は今後さらに大きくなるはずだ。

 榎田は、12日の埼玉西武戦では1イニングで4失点を喫した。20試合目にして初の2点以上の失点。「体調は悪くはなかったし、いつも通りのピッチングだった」と本人は言うが、疲労の蓄積は否めない。長丁場のシーズンを初めて過ごす榎田にとっては、これからが本当の勝負となりそうだ。
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