『マツダオールスターゲーム2011』第2戦が23日、QVCマリンフィールドで行なわれた。全パは初回、4番・中村剛也(埼玉西武)の2ランで先制。4回にも中村の2打席連続ホームランで加点すると、全セの反撃を継投でしのいで4−3で逃げ切り、前夜の雪辱を果たした。
◇第2戦
 初出場の巨人・沢村、2回1失点(QVCマリン)
全セ    3 = 000011001
全パ   4 = 20010010×
勝利投手 唐川
敗戦投手 館山
セーブ   武田久
本塁打  (セ)坂本1号ソロ
       (パ)中村1号2ラン、2号ソロ

 ホームランキングが本領発揮だ。現在、リーグ戦でダントツの26本塁打を放っている中村がセ・リーグを代表する投手陣から2発を放ち、MVPに輝いた。

「全打席、全球狙いに行った」という1本目は初回、セの防御率1位右腕・館山昌平(東京ヤクルト)からだ。2死2塁の場面でスライダーを完璧にとらえた。この日は試合前のホームランダービーでも優勝。その勢いをゲームにも持ち込み、全パに先制点をもたらせる。

 そして2本目は4回だ。中日・吉見一起の低めの直球をすくいあげる。打球はグングン伸びてバックスクリーンに飛び込んだ。“おかわり弾”で3−0。投げては初出場で先発の唐川侑己(千葉ロッテ)が2回を無失点に封じ、第1戦に続いて全パが序盤は優位に試合を進める。

 全セの反撃は5回から。全パ3番手、初出場の牧田和久(西武)から全セの1番・坂本勇人(巨人)がレフトポール際へソロホームランを放つ。続く6回は、1死から村田修一(横浜)がレフト線の当たりで好走塁。一気に2塁を陥れてチャンスをつくった。ここで打席に入った前夜のMVP・畠山和洋(ヤクルト)が、牧田のスライダーをセンターへ。村田が再び2塁から激走をみせ、2−3と1点差に詰め寄った。

 その裏から全セは最後の1枠で選ばれた新人の沢村拓一(巨人)がマウンドへ。先頭のT−岡田(オリックス)を見逃し三振に切ってとると、3打席連続本塁打を狙った中村と直球勝負を挑む。それに中村もフルスイングで応えた。3球連続ファールが続いた6球目、150キロの速球にさすがのホームランキングも打球がつまり、レフトフライ。見ごたえのある対決はルーキーに軍配が上がった。

 しかし、沢村は続く7回、四球で走者を許し、2死2塁のピンチを招くと、代打・内川聖一(福岡ソフトバンク)に直球を狙い打たれる。レフトフェンスを直撃するタイムリー2塁打。4−2となり、結果的にはこの追加点が効いた。

 全パは7回から初出場の増井浩俊(北海道日本ハム)、平野佳寿(オリックス)とつなぎ、最終回は日本ハムの守護神・武田久を送り込む。全セも最後の反撃をみせ、2死3塁から坂本がこの日2打点目となるタイムリーで1点を返す。さらに第1戦でホームランを放っているウラディミール・バレンティン(ヤクルト)が右中間へ大きな当たり。ワンバウンドでフェンスに達し、2、3塁と一打逆転の場面をつくった。

 ここで打席には初出場の渡辺直人(横浜)。最後の最後まで目の離せない展開となったが、武田久が踏ん張ってレフトフライに仕留め、リードを守り抜いた。敢闘賞には3安打2打点の坂本が選ばれた。1勝1敗のタイとなった今季のオールスターは東日本大震災の被災地・仙台に場所を移し、クリネックススタジアム宮城で第3戦を24日に実施する。先発は全パが田中将大(東北楽天)、全セが由規(ヤクルト)。