『マツダオールスターゲーム2011』第3戦が24日、クリネックススタジアム宮城で行なわれた。全パは初回、3番・稲葉篤紀(北海道日本ハム)の2ランで先制。3回にも稲葉のタイムリーで加点すると、その後も小刻みに得点を追加し、計5点を奪う。投げては先発の田中将大(東北楽天)、ダルビッシュ有(日本ハム)らの豪華リレーで全セ打線を封じ、5−0で快勝した。
◇第3戦
 斎藤(日本ハム)、1回を三者凡退(Kスタ宮城)
全セ    0 = 000000000
全パ   5 = 20110100×
勝利投手 田中
敗戦投手 由規
本塁打  (パ)稲葉2号2ラン、T−岡田1号ソロ

 東日本大震災の復興支援と位置づけ、開催地を仙台に移した第3戦、試合前には楽天の選手会長・嶋基宏選手が「僕たち野球選手の使命は、野球の魅力や、そこから生まれるドラマを通じて、人の生きる力に貢献すること」とスピーチ。4月のチャリティーマッチ、ホーム開幕戦に続く心のこもった内容に満員の観客から大きな拍手が送られた。

 先発は全パが楽天の田中、全セが地元出身の由規(東京ヤクルト)。また山崎武司(楽天)、畠山和洋(ヤクルト、岩手県出身)、栗原健太(広島、山形県出身)ら東北に縁のある選手がスタメンに名を連ねた。単なるお祭りムードととは異なる雰囲気でプレーボールがかかった試合は初回から動く。全パは1死1塁から稲葉が由規の速球を叩き、ライトスタンドへの2ラン。1戦、2戦同様、全パが先制した。

 対する全セは初回に田中を攻めて1死2、3塁、2回には2番手のダルビッシュから1死満塁のチャンスをつくるもあと1本が出ず、得点を奪えない。3回にも和田毅(福岡ソフトバンク)に対し、2死から畠山、栗原の東北コンビが連打をみせるが、後続が倒れた。すると3回、全パは川崎宗則(ソフトバンク)がヒットと盗塁でつくった好機に稲葉がライトへのタイムリー。4回にはT−岡田(オリックス)がソロホームランを放ち、4−0とリードを広げた。

 そして6回、全パはルーキーの斎藤佑樹(日本ハム)がマウンドへ。第1戦で1回3分の2を無失点に抑えた右腕は、ウラディミール・バレンティン(ヤクルト)、村田修一(横浜)と一発のある打者をきっちり打ち取る。わずか9球で三者凡退に封じ、全セの反撃ムードを断ち切った。その裏、全パは代打・内川聖一(ソフトバンク)の2試合連続タイムリーで、さらに1点を追加。7回以降、森福允彦(ソフトバンク)、増井浩俊(日本ハム)、岸田護(オリックス)と各チームを代表するセットアッパー、クローザーが相手を1安打のみに抑え、完封リレーを完成させた。

 大きく勝ち越した交流戦同様、パ・リーグの投手力の高さが目立った第3戦の結果、今季のオールスターは全パが2勝1敗と勝ち越し。10月のドラフト会議では指名順がパ・リーグが先になる。MVPには先制弾を含む3安打3打点の稲葉、敢闘賞には同じく猛打賞のT−岡田、2安打の渡辺直人(横浜)が選ばれた。また3試合を通じて最も活躍した選手に贈られる「スカイアクティブテクノロジー賞」には2試合で2回3分の2を無失点と好投した斎藤が受賞した。

 今季は開幕が遅れた影響で休養日を挟まず、一部の球団は25日から後半戦がスタート。来季のオールスターは神宮球場と松山・坊っちゃんスタジアムで開催される。