8月6日(土)
◇1回戦
 エース歳内が16奪三振&サヨナラ打
日南学園(宮崎)   4 = 0020100010
聖光学院(福島)   5 = 0000103001× (延長10回)
 3回表、プロ注目の聖光学院エース、歳内宏明(3年)から2死一、二塁の場面で4番・草清優真(3年)がレフトオーバーのタイムリー二塁打を放ち、2走者が返って日南学園が2点を先制した。5回表には歳内の暴投で1点を追加し、試合の主導権を握った。
 その裏、1点を返した聖光学院は7回裏、相手のミスに絡んで1点を追加すると、そこから一気にたたみかけた。4番・芳賀智哉(3年)のセカンドへの強襲ヒットで同点にし、さらに5番・福田の犠牲フライで逆転に成功した。ところが、1点リーで迎えた9回表、1死一、三塁の場面で歳内が再び痛恨の暴投をおかし、日南学園に土壇場で追いつかれた。
 しかし試合を決めたのはその歳内だった。10回裏、1死二塁から歳内が外角高めの直球をフルスイング。打球はセカンドの頭上を越え、ライト前へ。二塁ランナーが一気に三塁をまわってホームへ返り、歳内自身の初安打がサヨナラ打となった。歳内は投げては10安打を打たれながらも16奪三振をマーク。投打の活躍でチームを勝利に導いた。

 春夏通じて初出場の健大高崎が打ち勝つ
健大高崎(群馬)   7 = 002100103
今治西(愛媛)    6 = 000501000

 序盤、主導権を握ったのは健大高崎だった。3回表、1死二、三塁から健大高崎はスクイズを敢行。これが成功して1点を先制した。さらに打球が一塁へ送られている間に、二塁ランナーが隙を突いて一気にホームへ返るという2ランスクイズを決めて2点目を挙げた。健大高崎は4回表にも1点を挙げて、その差を3点に広げた。
 一方、3回まで無安打と打線が沈黙していた今治西は4回裏、1死から送りバントをはさんで怒涛の6連打で一挙5点を挙げ、逆転に成功した。6回裏には相手バッテリーのミスで1点を追加し、その差を3点に広げた。
 しかし、7回裏、健大高崎は先頭の4番・門村鴻輝(3年)がチーム初の長打となる三塁打を放ち、絶好のチャンスをつかんだ。1死後、6番・柳沢潤也(3年)の犠牲フライで1点を追加。その差を2点とした。そして9回表に3点を挙げ、1点を勝ち越した健大高崎はその裏、今治西を無失点に封じ、甲子園の初陣を白星で飾った。

 越田、全打点をあげる活躍
金沢(石川)    4 = 010003000
伊勢工(三重)   0 = 000000000
【本塁打】
(金)越田

 先制したのは春夏連続出場の金沢。2回表、先頭のエースで4番・釜田佳直(3年)がチーム初安打を放つと5番・石田翔太(3年)の内野ゴロ間に二進した。そして6番・越田貴之(3年)がレフトオーバーの二塁打を放ち、釜田が先制のホームを踏んだ。その裏、今度は伊勢工のエースで4番・中川誠也(3年)が、こちらも無死から二塁打を放つと、次打者の内野ゴロの間に三進し、得点のチャンスをつかむ。しかし、ここは今大会屈指の好投手・釜田が冷静なピッチングを見せる。150キロ台の直球と多彩な変化球で打者を翻弄し、しっかりと後続を断ち切って得点を許さなかった。
 6回裏、金沢は2死無走者から釜田、石田が連続ヒットで出塁すると、打席には先制タイムリーを放った越田。越田は伊勢工のエース中川の真ん中高めに甘く入ったカーブを完璧にとらえ、レフトスタンドへ。試合を決定づける3ランでリードを4点に広げた。
 最終回、伊勢工が粘りを見せた。無死から1番・松井衆(3年)、橋本樹(3年)が連打を放ち、反撃の狼煙をあげる。次打者の内野ゴロの間に松井が三進し、1死一、三塁とした。だが、このピンチにも釜田に動揺はなかった。中川を148キロの直球で空振り三振に切ってとると、続く5番・西井哲也(3年)も同じく148キロの直球で空振り三振と力でねじふせた。釜田は5安打10奪三振で完封勝ち。前評判通りのピッチングで初戦敗退を喫した今春のセンバツの雪辱を果たし、2回戦進出を決めた。