8月10日(水)
◇2回戦
 投打かみ合い、12年ぶりの白星
新湊(富山)        4 = 000001021
龍谷大平安(京都)   1 = 000001000
【本塁打】
(平)高橋
 両エースの好投が続き、前半はゼロ行進が続いた。ようやく均衡が破られたのは6回表。新湊は先頭の2番・放生が内野安打で出塁すると、3番・織田がきっちりと送りバントを決めて1死二塁とした。4番・川筋は内野ゴロに倒れるも、5番・袴谷がヒットで続き、1死一、三塁とした。続く6番・沢田快斗(2年)がタイムリーを放ち、新湊に待望の先取点が入った。しかし、その裏、龍谷大平安は先頭の4番・高橋大樹が初球の直球をレフトスタンドへ。主砲の一発ですぐさま追いつき、試合を振り出しに戻した。

 再び試合が動いたのは8回表。新湊は先頭の3番・織田が三振振り逃げで出塁すると、1死後、5番・袴谷がヒットで続き、1死一、三塁とした。ここで打席には6回に先制のタイムリーを放った6番・沢田。その沢田に対し、太田は直球勝負を挑んだ。その5球目、真ん中に入った甘いボールを沢田はライトへ弾き返した。三塁ランナー織田が生還し、再び新湊が勝ち越した。ここで龍谷大平安は太田に代えて田村嘉英(2年)をマウンドに上げた。しかし、その田村が制球が定まらない。7番・林祐輔(3年)を死球で出して満塁としてしまう。ここで新湊は8番・南和輝(3年)がスクイズを決めて、さらに1点を追加した。

 続く9回表、新湊は先頭の9番・菅谷優弥(2年)がヒットを放つと、相手の暴投で一気に三塁へ進み、無死三塁とした。ここで代打・作道太(3年)がタイムリーを放ち、新湊に4点目が入った。その裏、3点を追う龍谷大平安は脅威の粘りを見せる。8番・柴森雅人(3年)のボテボテの内野ゴロを新湊の遊撃手が一塁へ悪送球し、無死からランナーが出る。続く代打・重光友哉(2年)はストレートの四球で出塁すると、さらに相手捕手のパスボールでそれぞれランナーが進み、無死二、三塁と絶好のチャンスを迎えた。ここで1番・戸嶋一貴(3年)がレフトへ飛球を放つ。新湊の左翼手・作道がキャッチすると同時に三塁ランナー柴森がタッチアップして生還した。すると、作道が三塁へ送球し、三塁手がタッチアップが早かったというアピールをした。その瞬間、塁審の右手が上がり、柴森もアウトとなり、併殺となった。これで2死二塁となり、最後は2番・松下拓司(3年)が空振り三振に倒れてゲームセット。新湊が12年ぶりの勝利を収め、ベスト16一番乗りを決めた。

◇1回戦
 日大三、19安打の猛攻で大勝
日大三(西東京)   14 = 000231404
日本文理(新潟)   3 = 020001000
【本塁打】
(三)畔上

 2回裏、日本文理が先制のチャンスをつかんだ。先頭の5番・早津勇人(2年)がセンターの頭上を越える二塁打を放つ。1死後、7番・柄沢友哉(2年)は左中間を真っ二つに割る三塁打を放ち、早津が先制のホームを踏んだ。さらに日大三の中継が乱れる間に、柄沢も生還。日本文理が2点のリードを奪った。

 日大三は4回表、1死一、三塁から6番・菅沼賢一(3年)は空振り三振に倒れるも、日本文理の捕手・村上将紫(3年)が二進を狙う一塁ランナーの高山を刺そうとした送球を二塁手、遊撃手のコンビが合わず、ボールは外野へと転がっていった。その間に三塁ランナー畔上が生還し、日大三が1点を返した。なおも2死三塁から7番・鈴木貴弘(3年)のタイムリーで試合を振り出しに戻した。5回表、9番・谷口雄大(3年)がヒットで出塁すると、1番・清水弘毅(3年)が送りバントを決めて1死二塁とした。2番・金子凌也(2年)のタイムリーで1点を勝ち越すと、続く畔上は真ん中に甘く入った直球をライトスタンドに運び、2点を追加した。

 6回表にも1点を加えた日大三は7回表には日本文理の守備の乱れもあって、4安打で4点を挙げると、9回表には長打3本を含む5本のヒットで4点を追加。先発全員安打、19安打の猛攻で14得点を奪った。
 一方、日本文理は徐々に調子を上げ、毎回のように三振を奪う好投を見せた日大三のエース吉永から6回裏に1点を挙げるのが精一杯だった。吉永は散発4安打、13奪三振で3失点完投。投打に圧倒した日大三が大勝し、2回戦にコマを進めた。

 エース白根、3安打完封勝
柳井学園(山口)   0 = 000000000
開星(島根)      5 = 00000311×

 6回裏、開星は先制のチャンスをつかむ。先頭の3番・白根尚貴(3年)が内野安打で出塁すると、4番・森大樹(3年)の打球は深く守っていた左翼手の前にポトリと落ちるポテンヒットとなり、無死一、二塁に。さらに5番・岡慎一郎(3年)のセンターフライでそれぞれランナーがタッチアップして進塁し、1死二、三塁とした。ここで6番・金山直樹(3年)が初球スクイズを決めて、開星に待望の先取点が入った。金山も一塁セーフとなり、なおも1死一、三塁とすると、相手捕手のパスボールで三塁ランナーが返り、2点目を挙げた。さらに相手守備のミスで1死三塁とすると、7番・安原大輔(3年)の犠牲フライで1点を追加し、この回一挙3点を奪った。開星は7、8回にも1点ずつを加えた。

 5点ビハインドで迎えた9回表、柳井学園が最後の粘りを見せた。1死後、1番・飯干力也(3年)がヒットを放つと、代打・池田謙太(2年)は死球で出塁し、1死一、二塁とした。しかし、最後まで開星のエース白根は冷静だった。3番・中村彰成(3年)を3球三振に切って取ると、最後は4番・矢沢駿(2年)を144キロの直球で二ゴロに打ち取り、互いに力投を続けてきたエース対決を制した。白根は散発3安打完封勝ちを収め、自身3度目にして甲子園初勝利をつかんだ。