8月14日(日)
◇2回戦
 エース保坂、粘投で完封勝ち
能代商(秋田)   2 = 000101000
英明(香川)     0 = 000000000
 先制したのは能代商。3回まで英明エースの松本竜也(3年)に無安打に封じられていた能代商打線が4回表、ようやくその松本をとらえた。2死無走者から4番・山田一貴(3年)がチーム初安打を放つと、5番・小川宗太郎(2年)も外角高めの変化球をセンターへ運んだ。この打球に一塁ランナー山田が一気にホームへ。返球が大きくそれ、山田が先制のホームを踏んだ。6回表、先頭の1番・泉幸太(3年)が相手守備のエラーで出塁すると、1死後、3番・保坂佑樹(3年)が一塁手のグラブをはじく強襲安打となる二塁打を放つ。泉は迷わず三塁をまわり、ホームへ。4回に続いて積極的な好走塁を見せた能代商が貴重な追加点を挙げた。

 自ら貴重な追加点を挙げたエース保坂はキレのあるスライダーを軸に、打たせて取るピッチングでランナーを出しても要所を締め、8回まで英明打線を無失点に封じた。そして迎えた9回裏、保坂は疲労を感じさせないピッチングで3、4番打者を連続三振に切ってとると、5番・田中玲(3年)にはヒットを打たれるも、最後は6番・田野育邦(3年)を内野ゴロに打ち取って完封勝ちを収めた。

 あわせて29安打の打撃戦を延長サヨナラで制す
白樺学園(北北海道)   7 = 0010004101
智弁和歌山         8 = 2001020102× (延長10回)
【本塁打】
(白)小林、佐々木

 1回裏、故障明けの白樺学園エースの小林航(3年)の制球が定まらず、苦しい立ち上がりとなる。先頭打者を四球で出すと、送りバントを決められた後、さらにストレートの四球で1死一、二塁とピンチを招いた。するとここで白樺学園は小林を諦め、初戦で延長11回を投げきった川越翼(3年)をマウンドに上げた。その川越の初球、外角高めの変化球を4番・道端俊輔(3年)が左中間へ運ぶ。走者一層のタイムリーとなり、智弁和歌山が2点を先制した。

 3回表、白樺学園は2死二塁から3番・小林は強烈な打球を二遊間に飛ばすも、これを遊撃手が好捕する。すぐに体勢を整えて一塁へ送球するも、これを一塁手がこぼしてしまう。この間に二塁ランナー中村が生還し、白樺学園が1点を返した。
 4回裏、智弁和歌山は2死一、二塁とすると、4番・道端のこの試合3本目となるヒットで二塁ランナー川崎がホームへ返り、智弁和歌山に貴重な追加点が入った。さらに6回裏、1死二、三塁から3番・山本が走者一掃のタイムリーを放ち、2点を追加。リードを4点広げた。

 しかし7回表、白樺学園が怒涛の反撃を見せた。1死から9番・中村が四球で出塁すると、1番・佐藤がヒットを放つ。スタートを切っていた中村が三塁へ進んだ。ここで智弁和歌山は先発の上野山奨真(3年)から2番手・古田恭平(3年)にスイッチした。しかし、古田は2番・小原を死球で出塁させ、1死満塁とした。ここで打席には3番・小林。先発に起用されながら初回でマウンドを降りたその悔しさを晴らすかのように、小林が古田の初球、高めに浮いた変化球をフルスイングすると、打球はレフトスタンドへ。同点となる満塁本塁打で試合を一気に振り出しに戻した。さらに続く8回表には先頭打者の6番・佐々木が勝ち越しの本塁打を放ち、白樺学園がリードを奪った。その裏、1死二塁から途中出場の中村恒星(3年)が左中間を破る二塁打を放つと、二塁ランナーが一気にホームへ。主将の一振りで智弁和歌山が同点に追いついた。

 試合はそのまま延長戦へ。10回表、白樺学園は1死から8番・森谷泰樹(2年)が二塁打を放つと、2死後、1番・佐藤の高々と上がった打球は二塁手と右翼手の間にポトリと落ちる。この間に森谷が生還し、再び白樺学園が勝ち越した。だが、その裏、思いもよらない幕切れが待っていた。智弁和歌山は先頭の3番・中村がヒットで出塁すると、1死後、5番・宮川祐輝(3年)がタイムリー二塁打を放ち、同点に追いつく。なおも1死二塁とサヨナラのチャンスが続いた。ここで白樺学園は次打者を敬遠し、塁を埋めて、併殺を狙う。ところが、続く7番・小笠原の送りバント狙いの打球を三塁手・表が一塁へ悪送球してしまう。二塁ランナー宮川が一気にホームへ返り、智弁和歌山がサヨナラ勝ちを収めた。

 16強、最後の枠は日大三
開星(島根)       8 = 000042020
日大三(西東京)   11 = 30200600×
【本塁打】
(開)森

 初回、日大三が開星のエース白根尚貴(3年)の立ち上がりを攻めた。ヒットと死球で2死一、三塁とすると、5番・高山俊(3年)、6番・菅沼賢一(3年)に連続タイムリーが出て、日大三が2点をリードした。なおも2死二、三塁の場面、2者連続の四球で日大三は押し出しで1点を追加し、この回、一挙3点を奪った。3回裏にも6番・菅沼が2打席連続のタイムリーで4点目を挙げると、8番・吉永にもタイムリーが出て日大三がリードを5点に広げた。

 ここで開星は一塁手・森大樹(3年)をマウンドに上げた。森は好守備にも助けられ、後続を断った。森は4回裏もランナーを出すものの、日大三を無失点に封じた。その森の力投に打線が奮起した。5回表、2死二、三塁の場面、3番・白根。白根が走者一掃のタイムリーを放ち、2点を返した。さらに4番・森が高めの直球をバックスクリーンへ運び、開星はこの回一挙4点を奪い、1点差に迫った。さらに6回表、開星は四球と内野安打で無死一、二塁とすると、8番・安田諒平(3年)が走者一掃の三塁打を放ち、逆転に成功した。

 しかし、日大三はその裏、すかさず反撃に出た。ヒットとエラー、さらには四球で無死満塁とすると、4番・横尾俊建(3年)が2点タイムリーを放つ。続く5番・高山は送りバントを決め、1死二、三塁とした。6番・菅沼の打球は遊撃手のグラブをはじき、ボールが外野へ転がっている間に三塁ランナー横尾が生還した。その後、3点を追加した日大三はこの回、打者12人の猛攻で一挙6点を奪い、5点差とした。

 8回表、開星は無死から7番・安原、8番・安田と連打が出て、1点を返した。9番・黒崎もヒットで続き、1死後、2番・秋国のタイムリーで1点を追加。その差を3点とした。そして9回表、粘りを見せた。2死から7番・安原が四球で出塁すると、8番・安田が内野安打で続いた。しかし、最後は9番・黒崎が空振り三振に倒れ、ランナーを返すことができなかった。日大三の吉永は15安打8失点を喫しながら、最後まで一人で投げきり、初戦に続いての完投勝ちを収めた。あわせて28安打の打撃戦を制した日大三は、ベスト16、最後の枠を勝ち取り、3回戦進出を決めた。