8月15日(月)
◇3回戦
 接戦制し、8年ぶりの8強
光星学院(青森)   6 = 024000000
徳島商         5 = 032000000
【本塁打】
(光)和田
 2回表、光星学院は2死無走者から7番・松本憲信(3年)が内野安打で出塁すると、8番・和田祥真(3年)が内角低めに沈む変化球をうまく腕をたたんで振り切り、レフトスタンドへ運んだ。光星学院が2点を先制した。しかしその裏、徳島商がすぐさま反撃する。先頭5番・生田洋介(3年)の二塁打を皮切りに怒涛の3連打で1点を返した。さらに1死後、9番・龍田祐貴(3年)にもヒットが出て、1死満塁とした。1番・増富は内野ゴロに倒れるも、2番・竹内のヒットで2走者が返り、徳島商が逆転に成功した。

 ところが3回表、光星学院が1死一、二塁から4番・田村龍弘(2年)が走者一掃のタイムリー三塁打を放ち、再び勝ち越す。さらに5番・北條史也(2年)、6番・金山洸昴(3年)にもタイムリーが出て、この回一挙4番を奪い、3点差とした。その裏、光星学院に痛恨のミスが出た。2死一塁から6番・咲田瑠星(3年)がライト前ヒットを放つ。すると、これを右翼手がトンネルし、打球はライトの奥深くへ転がっていった。その間に一塁ランナー、さらには打った咲田もホームに返り、2点を追加。徳島商が1点差に迫った。

 打撃戦となった序盤とはうってかわって、4回以降は両投手陣がバックの好守備に助けられながらランナーを出しても要所を締める粘投で追加点を許さず、ゼロ行進が続いた。8回を終えて10安打ずつと、まさにがっぷり四つの接戦となった。試合は光星学院1点リードのまま最終回へと入った。9回表、ここまで力投を続けてきた徳島商エースの龍田祐がこの試合初めて3者凡退に切ってとる。そして9回裏、その龍田祐が打席に入る。しかし、センターフライに倒れた。後続も凡打に倒れ、徳島商はわずか1点に泣いた。一方、1点を守り切った光星学院は2003年以来、8年ぶりのベスト8進出を決めた。

 終盤の集中打で大勝
新湊(富山)        1 = 000010000
東洋大姫路(兵庫)   11 = 11000009×

 序盤、試合の主導権を握ったのは東洋大姫路だった。1回裏、1死から2番・林大地(2年)が三塁線を破る二塁打を放つと、3番・坪田元希(2年)は内野ゴロに倒れるも4番・増田隆治(3年)が四球で出塁し、2死一、二塁とした。ここで東洋大姫路が機動力を見せた。次打者の打席で2走者がダブルスチールを敢行する。すると、これにあわてた新湊の捕手・沢田快斗(2年)が三塁へ悪送球。その間にランナーが返り、1点を先制した。さらに2回裏、1死一、三塁から、9番・中河宏輝(3年)のスクイズで東洋大姫路が1点を追加した。投げてはエース原が1、2回を3者凡退に切って取る最高の立ち上がりを見せると、3、4回はランナーを出すも要所を締め、新湊打線を封じた。

 しかし5回表、新湊は先頭の5番・袴谷圭汰(3年)がチーム初の長打となる三塁打を放つ。6番・沢田の内野ゴロの間に袴谷が生還し、新湊が1点を返した。その後は両投手がランナーを出しながらも要所を締め、ゼロ行進が続いた。
 試合が大きく動いたのは8回裏。東洋大姫路打線が猛打をふるった。2つのヒットと四球で1死満塁とすると、8番・原、9番・中川と2者連続での2点タイムリーが出て、4点を追加した。その後も東洋大姫路打線の勢いは止まらず、この回打者13人の猛攻で一挙9得点を挙げ、一気に引き離した。その裏、原は新湊を3者凡退に切ってとり、6安打1失点で完投勝ち。東洋大姫路がベスト8進出一番乗りを決めた。

  明豊、12安打も拙攻続きで1得点
明豊(大分)   1 = 000001000
関西(岡山)   7 = 04021000×

 2回裏、関西が相手エラーから先制のチャンスを得る。5番・堅田裕太(3年)のゴロを明豊の遊撃手・稲垣翔太(3年)が好捕するも、一塁へ悪送球。一塁手の足が離れたとしてセーフとなる。続く6番・関泰典(3年)のバントした打球を今度は明豊のエース高尾勇次(3年)が一塁へ悪送球し、ボールがファウルグラウンドへと転がるうちに、それぞれ進塁し、無死二、三塁となった。7番・水原浩登(3年)は死球で出塁し、無死満塁と絶好のチャンスを得た。ここで8番・関貴典(2年)がレフトへ大飛球を放ち、これが犠牲フライとなって関西が1点を先制した。さらに9番・福井寛十郎(3年)は粘って四球を選び、1死満塁とした。ここで明豊は早くも高尾から2番手・岡本健一郎(3年)にスイッチした。その岡本は制球が定まらず、2者連続の押し出しで2点を献上し、関西のリードは4点に広がった。4回裏にも2点を追加した関西は、投げてはエース水原がほぼ完璧なピッチングで明豊打線を封じた。その水原が5回裏、1死からヒットで出塁すると、8番・関が送り、1死二塁とした。ここで9番・福井がライト線を破る三塁打を放ち、水原が7点目のホームを踏んだ。

一方、明豊は7、8回と2死満塁とチャンスを得るも、あと1本が出ず、得点に結びつけることができなかった。そして迎えた9回表、今度は怒涛の3連打で無死満塁とする。打席には2安打とこの試合当たっている4番・佐藤。しかし、佐藤は水原の伸びのある直球に押され、空振り三振に倒れる。続く5番・北里優太(3年)も浅いセンターフライに打ち取られる。そして最後は途中出場の古川純也(3年)が真ん中低めの変化球を打ち上げた。これを関西の主将、三塁手の渡辺がしっかりとキャッチし、ゲームセット。明豊は関西の10安打を上回る12安打を打ちながら15残塁と拙攻が続き、1得点に終わった。

 最終回、打者13人の猛攻で逆転勝ち
智弁学園(奈良)   9 = 000001008
横浜          4 = 111010000

 1回裏、智弁学園のエース青山大紀(2年)は制球が定まらず、苦しい立ち上がりとなる。先頭打者を四球で出すと、次打者には送りバントを決められる。さらに早くも2つ目の四球を出し、1死一、二塁とピンチを招いた。逆に先制のチャンスをつかんだ横浜は機動力を使って攻める。4番・斎藤健汰(3年)のライトフライで二塁ランナーがタッチアップし、一、三塁とすると、5番・樋口龍之介(2年)の打席で一塁ランナーが二盗を狙う。これに智弁学園の捕手・中道勝士(2年)が二塁へ牽制すると、その隙に三塁ランナーがホームへ。二塁ベースカバーに入った遊撃手が急いでバックホームするも、間に合わず、横浜が無安打で1点を先制した。横浜は2、3回にも1点ずつを入れ、リードを3点に広げた。投げてはエース柳裕也(2年)が4回まで3者凡退に切ってとる最高のピッチングを披露した。一方、智弁学園のエース青木も徐々に自分のピッチングを取り戻し、4回裏は初めて3者凡退に切ってとった。

 6回表、智弁学園は1死三塁から3番・青山のタイムリーで1点を返した。そして3点ビハインドで迎えた9回表、智弁学園が怒涛の反撃を見せた。2番・浦野がヒットを放ち、この試合初めて無死からランナーが出る。すると、ここで横浜は青山から2番手・相馬和磨(2年)にスイッチした。この継投策が横浜にとっては裏目に出る。2死一、三塁から6番・小野がタイムリーを放ち、2点目を挙げる。さらに7番・横浜は死球で出塁し、2死ながら満塁と一打同点のチャンスを迎えた。打席には甲子園初打席の代打・西村竜治(3年)。西村の打球はフラフラと上がり、ライト線にポトリと落ちるテキサスヒットとなる。これで2走者が返り、同点となった。

 これに動揺を隠せない相馬は、次打者をストレートの四球で出し、2死満塁としてしまう。ここで横浜は相馬にかえ、3番手・向井正揮(3年)をマウンドに上げた。その向井も制球が定まらない。1番・大西は高めに甘く入った変化球を鋭く振り抜き、打球は二遊間を抜ける。2人のランナーが返り、智弁学園が逆転に成功した。ここで横浜は4番手にサウスポー山内達也をマウンドに上げた。しかし、山内は四球で満塁とすると、自らの暴投で1点を献上した。さらに3番・青山にレフト頭上を越えるタイムリー二塁打を打たれ、2点を失うと、4番・中道にもヒットを打たれ、またも満塁に。たまらず横浜は、神奈川大会でも一度も登板のなかった田原啓吾(2年)にスイッチした。田原はなんとか次打者を内野ゴロに打ち取り、ようやく3アウト目をとった。結局、智弁学園はこの回、打者13人の猛攻で一挙8得点を奪い、5点をリードした。その裏、横浜は先頭打者の田原が内野安打で出塁するも、2者連続で併殺崩れとなり、2死一塁となる。最後は3番・近藤健介(3年)が青山の渾身の直球にバットが出ず、見送り三振に倒れた。土壇場での見事な集中打で劇的な逆転勝ちを収めた智弁学園は4年ぶりのベスト8進出を決めた。