29日、陸上世界選手権(韓国・テグ)3日目、男子ハンマー投げ決勝が行なわれ、2004年アテネ五輪金メダリストの室伏広治(ミズノ)がシーズベストの81メートル24で初の金メダルに輝いた。また、来年のロンドン五輪代表にも内定した。
 今大会、日本人のメダル第1号は大会前から調子のよさをみせていた室伏だった。2日前に行なわれた予選では1投目でシーズンベストの78メートル56をマーク。予選通過ライン(77メートル)を軽々とクリアし、予選トップで決勝進出を決めた室伏は、決勝でも絶好調だった。1投目からシーズンベーストの79メートル72をマークし、トップに立つと、その後、さらに記録を伸ばす。2投目は81.03メートル、3、4投目で81.24メートルをマークした。5、6投目も80メートルを超え、最後までトップの座を譲らなかった。

 日本人選手が世界選手権で金メダルを獲得したのは97年アテネ大会、女子マラソンの鈴木博美以来。男子では91年東京大会、マラソンの谷口浩美以来2人目の快挙だ。室伏自身は01年エドモント大会の銀メダルが最高で、今回が悲願の金メダル獲得となった。

 女子100メートルでは日本人初の準決勝にコマを進めたアジアの女王・福島千里(北海道ハイテクAC)が3組目に登場。力みのない最高のスタートを切ったが、終盤での伸びが足りず、11秒59で準決勝で姿を消した。また、男子400メートル準決勝に臨んだ金丸祐三(大塚製薬)は序盤から積極的な走りを見せたものの、予選の45秒51よりも20秒遅れの46秒11の6位となり、決勝進出を果たすことはできなかった。男子棒高跳び決勝には5大会連続出場となった澤野大地(千葉陸協)が登場。5メートル65を最後の3回目で成功させたが、5メートル75はクリアすることができず、14位に終わった。


<男子ハンマー投げ>
決勝
1位 室伏広治 81m24
2位 クリスティアン・ポルシュ(ハンガリー) 81m18
3位 プリモジュ・コズムス(スロベニア) 79m39