トルコ・イスタンブールで開催されているレスリングの世界選手権で女子48キロ級の小原日登美(自衛隊)が優勝し、日本勢では今大会初の金メダルを獲得した。小原は昨年、結婚し、坂本から改姓して初めての世界一。51キロ級と合わせて8度目のVを達成した。日本は同階級で来年のロンドン五輪の出場権を獲得した。
 名前が変わっても世界女王の称号は変わらなかった。
 小原は準々決勝で北京五輪金メダルのキャロル・ヒュン(カナダ)を下しての決勝進出。決勝ではマリヤ・スタドニク(アゼルバイジャン)に豪快なタックルを決められて第1ピリオドを落としたものの、第2、第3ピリオドを奪い返し、連覇を達成した。

 もともとは五輪種目にはない51キロ級の第一人者だった。北京五輪では階級を上げて55キロ級での出場を狙ったが、吉田沙保里(ALSOK)の壁に阻まれた。一時はコーチ業に専念していたものの、一昨年に48キロ級で復帰。だが、減量にも苦労し、結婚直後のアジア大会ではまさかの3位に終わった。それだけに2年連続の世界一は自信となる。悲願の五輪出場、そして金メダルへ新たな名前で大きな一歩を踏み出した。

 なお、この日までに行われた男子グレコローマンスタイルでは7階級すべてで日本勢は5位以内に入れず、五輪出場権を確保できなかった。