DSC08970 15日、来年のリオデジャネイロ五輪国内代表選考会を兼ねた「第1回さいたま国際女子マラソン」が埼玉・さいたまスーパーアリーナを発着点に行われ、アツェド・バイサ(エチオピア)が2時間25分44秒で優勝した。2位には日本人トップで吉田香織(ランナーズパルス)が2時間28分43秒で入った。3位にはレベッカカンコゴ・チェシャイアー(ケニア)。渋井陽子(三井住友海上)は4位、小田切亜希(天満屋)は8位、中里麗美(ニトリ)は9位だった。

 

 東京、横浜と紡いできた首都圏開催の国際女子マラソン。その後継となるさいたま国際マラソン初代女王の座は、長距離界をリードするエチオピア勢の手に渡った。バイサは起伏が激しいと言われた難コースにも事も無げに対応してみせた。

 

 スタート前、小雨がぱらつくあいにくの雨模様だった。だが午前9時の気温は15度と暖かかった。国内外の招待選手を含めた467人が日本代表チャレンジャーの部に出走した。

 

DSC08931 号砲が鳴らされ、一斉に飛び出すランナーたち。ペースメーカーに引き連れられ、入りの1キロは3分38秒とゆったりしたペースを刻んだ。徐々にピッチを上げたものの5キロ通過で17分27秒。このままでいくと2時間30分はかかるスローな展開だ。

 

 それでも集団から1人、2人と脱落していき、6キロ過ぎで先頭グループは8人。日本人も渋井と吉田だけになった。10キロを過ぎるとさらに海外勢2人が減り、6人の先頭集団となる。日本人以外の内訳はバイサ、メセレク・メルカのエチオピア勢が2人とチェシャイアー、ウィンフリーダモチャチェ・ケバソのケニア勢2人である。

 

 ペースメーカーの外れる30キロ付近でレースは動いた。渋井とケバソは離され、バイサ、チェシャイアー、吉田の三つ巴となる。しかしペースを上げるバイサに吉田はついていけなかった。バイサはチェシャイアーも突き放し、独走状態。35キロ、40キロと通過して、後続との差を広げていく。このまま影を踏ませることなく逃げ切った。フィニッシュタイムは2時間25分44秒だった。

 

DSC09015 一方の2位争いは、一度は離された吉田だが粘りをみせる。35キロ過ぎでチェシャイアーとの差を詰めると、40キロ手前でその背中をついにとらえる。吉田は沿道の声援に後押しされ、一気に抜き去った。そのままチェシャイアーとの差を広げて、2位でフィニッシュした。自己ベストを更新する2時間28分43秒をマークしたが、1位のバイサから遅れること約3分。その力の差を見せつけられたかたちとなった。

 

 上位の成績は以下の通り。

 

1位 アツェド・バイサ(エチオピア) 2時間25分44秒

2位 吉田香織(ランナーズパルス) 2時間28分43秒

3位 レベッカカンコゴ・チェシャイアー(ケニア) 2時間29分11秒

DSC090504位 渋井陽子(三井住友海上) 2時間31分6秒

5位 ウィンフリーダモチャチェ・ケバソ(ケニア) 2時間32分8秒

6位 メセレク・メルカ(エチオピア) 2時間33分59秒

7位 ナスタシア・イバノバ(ベラルーシ) 2時間35分23秒

8位 小田切亜希(天満屋) 2時間36分29秒

9位 中里麗美(ニトリ) 2時間40分31秒

10位 アスカレ・タファ(エチオピア) 2時間46分40秒

 

(文・写真/杉浦泰介)