メジャーリーグは29日、各地でレギュラーシーズンの最終戦を迎え、シアトル・マリナーズのイチローは3打数無安打で、今季の安打数が184本に終わった。これによりメジャー移籍後、2001年から継続していたシーズン200安打は10年連続でストップした。また今季の打率も.272となり、オリックス時代の94年から続いていた打率3割以上の記録も17年でストップした。プロ入り以降、規定打席に到達して打率3割を切ったのは初めて。
 昨季214安打を放ち、10年連続で200安打をマークしたイチローは、今季も大台を突破すれば通算の達成回数でもメジャーリーグ記録を樹立するシーズンだった。だが、今季はプロ入り以来初めてとも言える打撃不振に苦しんだ。4月こそ39安打を放って.327と順調なスタートを切ったものの、5月はわずか22安打、打率.210。メジャー移籍後、最低の月間成績に終わった。6月も3試合連続無安打が2度続き、2年ぶりに試合を欠場する事態に陥っていた。

 11年連続のオールスターゲーム出場も逃して迎えた後半戦も7月の月間打率は.250。8月は.292、9月も.265と最後までエンジンはかからず、量産体制に入れなかった。走攻守に衰えを感じさせないプレーをみせてきたイチローもこの10月で38歳。来季はマリナーズとの契約最終年にあたり、正念場のシーズンとなりそうだ。

 またオークランド・アスレチックスに移籍した松井秀喜は打率.252、12本塁打、72打点。故障で戦列を離れたシーズンを除けば、こちらもメジャー移籍後、最低の成績だった。今季よりメジャー挑戦したミネソタ・ツインズの西岡剛はクロスプレーによる左足の骨折や、右脇腹痛もあり、68試合の出場にとどまった。テキサス・レンジャーズの建山義紀はマイナースタートからシーズン途中で昇格し、中継ぎで39試合に登板し、2勝0敗1セーブの成績を残した。

 レギュラーシーズンを終えて、各地区の優勝はアメリカンリーグが東地区ニューヨーク・ヤンキース(2年ぶり17回目)、中地区デトロイト・タイガース(24年ぶり4回目)、西地区テキサス・レンジャーズ(2年連続5回目)、ナショナルリーグが東地区フィラデルフィア・フィリーズ(4年連続10回目)、中地区ミルウォーキー・ブルワーズ(29年ぶり2回目)、西地区アリゾナ・ダイヤモンドバックス(4年ぶり5回目)。

 最終戦までもつれ込んだワイルドカード争いは、ア・リーグではタンパベイ・レイズがヤンキース戦で7回まで0−7の劣勢を跳ね返し、大逆転。同率で並んでいたボストン・レッドソックスがボルチモア・オリオールズに逆転サヨナラ負けを喫したため、2年連続のプレーオフ進出を決めた。ナ・リーグではワイルドカード争いをリードしていたアトランタ・ブレーブスが延長戦の末、敗れて5連敗。同率で並んでいたセントルイス・カージナルスが勝利し、2年ぶりのプレーオフの切符を手中にした。ディビジョンシリーズは10月1日からスタートする。